2025年1月1日更新.2,485記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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アトピー性皮膚炎治療薬の一覧

アトピー性皮膚炎治療薬の一覧

分類分類商品名一般名規格・剤形
アトピー性皮膚炎治療薬(外用薬)カルシニューリン阻害薬プロトピックタクロリムス水和物軟膏(0.1%)、小児用軟膏(0.03%)
JAK阻害薬コレクチムデルゴシチニブ軟膏(0.25%、0.5%)
PDE4阻害薬モイゼルトジファミラスト軟膏(0.3%、1%)
アトピー性皮膚炎治療薬(皮下注)IL-13阻害薬アドトラーザトラロキヌマブ皮下注シリンジ(150㎎9、皮下注ペン(300㎎)
イブグリースレブリキズマブ皮下注オートインジェクター(250㎎)、皮下注シリンジ(250㎎)
IL-4/13阻害薬デュピクセントデュピルマブ皮下注シリンジ(300㎎)、皮下注ペン(300㎎)
IL-31阻害薬ミチーガネモリズマブ皮下注シリンジ(60㎎)
アトピー性皮膚炎治療薬(内服薬)JAK阻害薬オルミエントバリシチニブ錠(2㎎、4㎎)
リンヴォックウパダシチニブ錠(7.5㎎、15㎎、30㎎、45㎎)
サイバインコアブロシチニブ錠(50㎎、100㎎、200㎎)
カルシニューリン阻害薬ネオーラルタクロリムスカプセル(10㎎、25㎎、50㎎)、内用液(10%)

アトピー性皮膚炎治療薬の分類

アトピー性皮膚炎に用いられる薬には、ステロイド外用薬や保湿剤、抗アレルギー薬、免疫抑制剤など様々なものがある。

アトピー性皮膚炎の治療として、皮膚の「炎症」を抑えるための治療(ステロイド等)、皮膚の「かゆみ」を抑えるための治療(抗ヒスタミン薬等)、皮膚の「バリア機能」を補うための治療(保湿剤等)が行われる。
治療としては炎症を抑えるためのステロイド外用薬が中心であるが、近年、アトピー性皮膚炎の発症機序に基づいた分子標的薬が登場している。

アトピー性皮膚炎では、サイトカインにより活性化した免疫細胞が炎症や掻痒を引き起こす。
皮膚の下にアレルギーに関係するヘルパーT細胞(Th2)が集まり、Th2細胞がIL-4、IL-5、IL-13、IL-31などのサイトカインを放出し、それらのサイトカインが免疫細胞上の受容体に結合すると、JAK-STATシグナル伝達経路を介して炎症に関連する遺伝子の転写活性が促進され、各種炎症反応が引き起こされる。

ヤヌスキナーゼ阻害薬

ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬は、アトピー性皮膚炎に関与する多数のサイトカインのシグナル伝達を担うJAKを阻害します。これにより、サイトカインによって誘発される免疫細胞の活性化を抑制し、炎症を抑制します。

処方例

Rp)コレクチム軟膏0.5% 5g  
 1日2回 顔に塗布

ホスホジエステラーゼ4阻害薬

PDE4阻害薬は、PDE4の活性を阻害します。これにより、免疫細胞の細胞内cAMP濃度を高め、種々のサイトカイン及びケモカインの産生を抑制することで炎症を抑制します。

炎症を抑えるPDE4阻害薬には乾癬に使用されているオテズラ(アプレミラスト)もあります。

処方例

Rp)モイゼルト軟膏1% 10g  
 1日2回 四肢に塗布

カルシニューリン阻害薬

カルシニューリン阻害薬は、ヘルパーT細胞内のイムノフィリンと結合して、カルシニューリン(細胞内シグナル伝達に関わるタンパク質脱リン酸化酵素)の活性化を阻害し、シグナル伝達を阻害し、サイトカイン(IL-2など)の産生を抑制し、細胞傷害性T細胞(CTL、キラーT細胞)の活性化を抑制します。

タクロリムス軟膏はアトピー性皮膚炎に適応がありますが、タクロリムスの内服薬(プログラフ)はアトピー性皮膚炎に適応はありません。

処方例

Rp)プロトピック軟膏0.1% 5g  
 1日1回 顔に塗布

生物学的製剤

IL-4/13受容体阻害薬、IL-13受容体阻害薬、IL-31受容体阻害薬がアトピー性皮膚炎に使われる。

IL-4、IL-13、IL-31はかゆみ閾値を低下させ、皮膚のかゆみを生じさせる。
IL-4、IL-13はB細胞に作用してIgE産生を誘導する。
その他IL-5は、好酸球を活性化し炎症を引き起こす。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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