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PDE4阻害薬がアトピー性皮膚炎に効く?
公開. 更新. 投稿者:アトピー性皮膚炎/ステロイド外用薬.この記事は約2分9秒で読めます.
6,204 ビュー. カテゴリ:モイゼルト軟膏って効くの?
モイゼルト軟膏
モイゼルト軟膏(ジファミラスト)というPDE4(ホスホジエステラーゼ4)阻害薬として初のアトピー性皮膚炎治療薬が発売されるようだ。
コレクチム軟膏が発売されて間もないが、またアトピー性皮膚炎に対する外用薬の選択肢が増えるのですね。
PDE4(ホスホジエステラーゼ4)阻害薬といえば乾癬治療薬のオテズラです。
作用機序まで知らない?
ホスホジエステラーゼ阻害薬には以下のようなものがある。
PDE阻害薬(非選択的):テオフィリン(喘息治療薬)、カフェイン
PDE3阻害薬:ミルリーラ(強心薬)、プレタール(抗血小板薬)
PDE4阻害薬:オテズラ(乾癬治療薬)、モイゼルト軟膏(アトピー性皮膚炎治療薬)
PDE5阻害薬:アドシルカ、レバチオ(肺高血圧症治療薬)、ザルティア(前立腺肥大症治療薬)、シアリス、バイアグラ、レビトラ(勃起不全治療薬)
いろいろありますね。
PDE4阻害薬の作用機序としては、PDE4阻害により、細胞内cAMPを上昇させ、炎症性メディエーターの産生を調節し、過剰な炎症反応を抑制し、症状を改善するというもの。
アトピー性皮膚炎の末梢血白血球ではPDE4様活性が亢進し、細胞内環状アデノシン一リン酸(cAMP)濃度が低下していることが認められており、このPDE4は多くの免疫細胞に存在し、cAMPを特異的に分解する作用を有している。
アメリカではすでにクリサボロール軟膏というPDE4阻害薬の外用薬が販売されているので、ある程度実績もあるという点では期待できるかも知れません。
モイゼルトの塗布量
「塗布量は、皮疹の面積0.1m2あたり1gを目安とすること。」と記載されている。細かいな。
1gは2FTU(1FTU=0.5g)なので、手のひら4枚分くらいの面積になる。
普通に塗ればだいたいそのくらいかな。
乾癬治療薬オテズラ錠はサリドマイドに似ている?
オテズラ錠の留意事項として、厚生労働省から以下の通知が出されました。
本剤の有効成分であるアプレミラストは、サリドマイドやポマリドミド等の化学構造を構成しているフタルイミド基を含む化合物です。本剤は、承認審査において提出された非臨床試験及び臨床試験で催奇形性は認められていませんが、非臨床試験において胚・胎児毒性を有することが示されており、妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与は禁忌とされていることから、その使用に当たっては、下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関及び薬局に対する周知をお願いします
オテズラ錠は、妊婦に禁忌となっています。
その理由として、アプレミラストがサリドマイドやポマリドミドなどの化学構造を構成するフタルイミド基を含んでいるということがあります。
乾癬の患者数は、男女比が2:1と男性が多いですが、乾癬の女性患者もいるので、妊娠中かどうか確認することが必須。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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