2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ロゼックスゲルとアルコール含有ゲルを併用して良いか?

メトロニダゾールとアルコール

薬剤師

ロゼックスゲル使用中もお酒飲んじゃダメ?

メトロニダゾールにはジスルフィラム様作用があるので、アルコールと併用注意になっている。

フラジール内服錠の添付文書には以下のように記載されている。

臨床症状・措置方法:腹部の疝痛、嘔吐、潮紅があらわれることがあるので、投与期間中は飲酒を避けること。
機序・危険因子:本剤はアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。

メトロニダゾールの外用塗布剤であるロゼックスゲルにも同様に記載されている。

しかしフラジール膣錠には相互作用の記載は無い。理由はわからない。しかし、お酒に弱い人は避けた方がよいだろう。

外用薬がどの程度吸収されて、悪酔いを起こすかはわからないが、ロゼックスゲルと飲酒は併用注意。ヒヤリハットで、ロゼックスゲルとロキソニンゲルなどのアルコール含有外用塗布剤の併用は問題ないとされていた。
フラジール内服錠においても、ロキソニンゲルなどのアルコール含有外用塗布剤の併用は問題ないだろう。
アルコール含有外用剤に含まれるアルコールが問題になる程度であれば、小児への使用も注意書きがされているのだろう。

しかし、ノックビン(ジスルフィラム)については、「アルコールを含む医薬品(エリキシル剤、薬用酒等)・食品(奈良漬等)・化粧品(アフターシェーブローション等)を使用又は摂取中の患者」に禁忌とされており、化粧品でも禁忌になっている。
ジスルフィラムの作用とジスルフィラム様作用では程度が違うということか。

アフターシェーブローション等、となっているが、ロキソニンゲルなどのアルコール含有塗布剤や、昨今コロナ感染予防のためにアルコール手指消毒剤をよく使うが、それもダメなのか?

「手指消毒剤のアルコールは皮膚や肺を通して吸収されるのか?ジスルフィラム治療への示唆」という文献1)で以下のように書かれている。

狭い空間で手指消毒剤を使用した場合、DER(ジスルフィラム-エタノール反応)を引き起こすのに十分な量のアルコールが吸入される可能性があるが、ヒュームの飛散により吸収は回避でき、皮膚からの吸収だけでは薬理学的に有意な量は発生しないことを強く示唆している。

ノックビンの添付文書を見直す必要がある。化粧品はアルコール入っていないものを選ぶことできるけど、アルコール消毒は避けられないからね。

1)Brewer C, Streel E. Is Alcohol in Hand Sanitizers Absorbed Through the Skin or Lungs? Implications for Disulfiram Treatment. Alcohol Alcohol. 2020 Jun 25;55(4):354-356. doi: 10.1093/alcalc/agaa045. PMID: 32400852; PMCID: PMC7454269.

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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