2024年4月29日更新.2,754記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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エパデール1日4グラムは危険?

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オメガ3脂肪酸が心房細動を増やす?

2023年4月にエパデール(オメガ3脂肪酸)の添付文書が改訂され、「本剤と同一有効成分(4g/日)を含有する製剤の海外臨床試験において、心房細動又は心房粗動のリスク増加が認められたとの報告がある。」との記載が追記された。

エパデールS300/S600/S900は最高で1日2700㎎(2.7g)までなので、1日4gを使うことは無い。

ただし、2022年 9月に発売されたエパデールEMカプセルは1日4gまで使うことができる。

動脈硬化は減らすが、心房細動を増やす。いやこれは本末転倒。

エパデールEMが発売から1年経過して長期解禁される前の段階でこの添付文書改訂は、意図的なものを感じるのは私だけだろうか。
いずれにせよ、「エパデールSで良いんじゃね?」って思っちゃうね。

エパデールSとエパデールEMの違い

エパデールEMカプセルという製品が2022年9月に販売された。

エパデールSとは何が違うのか?
エパデールSには300、600、900という3規格があり、それぞれ1包あたり300㎎、600㎎、900㎎のイコサペント酸エチルが含有されています。エパデールEMカプセルには1包2g(2000㎎)のイコサペント酸エチルが含有されています。

量が多い分、サイズも大きく、エパデールSは直径約4mmの球形カプセルであるが、エパデールEMは直径約6mmと大きい。エディロールカプセルが直径6.6㎜くらいだからそれを数十粒いっぺんに飲むと考えるとしんどい。

エパデールSは1日3回食直後という用法であるが、エパデールEMは1日1回食直後の服用で済む。スタチンなどの脂質異常症治療薬が1日1回のものが多いので、それにあわせて1日1回のEPA製剤のほうがコンプライアンス的にも好ましいというわけだ。

エパデールSを1日1回で飲んじゃえば良いんじゃね?と思う人もいるかと思うが、エパデールEMのインタビューフォームには、吸収について以下のように書かれている。

本剤は、吸収性の向上を期待して既承認のエパデールを新たに製剤設計した自己乳化製剤である。エパデールの添加物の処方を変更することにより、イコサペント酸エチル(EPA-E)が消化管内において胆汁酸に依存せずに乳化分散し、吸収されると考えられる。この製剤設計により、吸収性の向上と食事の影響を受けにくくなることが期待される。

胆汁酸に依存せずに吸収される。でも、用法は食直後。

エパデールEMのEMは、乳化製剤(EMulsification)の意味。
エパデールSのSは、Small、Smooth、Seamless capsuleなどの頭文字で色んな意味がある。

個人的にはEPAはサプリメント程度にしか見ていない。

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薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

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本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
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