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CKがどのくらいになったらスタチン中止?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約5分19秒で読めます.
9,314 ビュー. カテゴリ:横紋筋融解症とクレアチンキナーゼ
スタチンによる副作用、横紋筋融解症の指標となる検査値にクレアチンキナーゼ(CK)があります。
正常値は男性で59~248U/L、女性で41~153U/Lとなっていますが、少しでも高値に逸脱していれば中止という判断で良いのでしょうか?
クレアチンキナーゼ(CK)はクレアチンフォスキナーゼ(CPK)ともいわれ、クレアチンリン酸とアデノシン二リン酸からクレアチンとアデノシン三リン酸を生成する酵素である。
骨格筋、心筋、平滑筋、脳などに多く含まれ、それらの部位が損傷を受けると血中に逸脱する。
ヒトのCKはすべて二量体で臓器特異性があり、筋型または骨格筋型(MM)、脳型(BB)、ハイブリッド型もしくは心筋型(MB)の3つのアイソザイムで構成される。
血中では骨格筋に由来するCK-MMが95%、心筋に由来するCK-MBが5%、CK-BBが1%くらいの割合で存在している。
筋疾患における筋細胞の障害により、細胞内のCKが血液中のCKが血液中に流出し、血中濃度が上昇する。
筋疾患、甲状腺機能低下症ではCK-MMが上昇する。筋肉の圧迫、打撲などでも容易に上昇する。
急性心筋梗塞では、CK-MMとCK-MBが上昇する。
CK-BBは神経組織に分布するが、神経疾患でCKが上昇することはほとんどない。
スタチンによるCK上昇への対応
まず,スタチン関連の筋痛は両側対称性に生じ, 下肢近位筋で多く,スタチン開始後6カ月以内で生じる例が多いのが特徴です。発生頻度は,何らかの筋症状は約10%,筋肉痛は約7%, 重度の筋障害は約0.1%で認められ,全スタチン使用患者の5~10%がスタチン不耐となると報告されています。
スタチンによるCK上昇への対応|Web医事新報|日本医事新報社
(1)筋症状の種類
筋症状の中で,CKの上昇がなく筋症状を訴えるものを筋肉痛(myalgia)と呼びます。CKとの因果関係がはっきりしないものを指します。スタチン投与前のCK値を測定しておくとCKレベルの判断に役立つと思われます。CK>2000 IU/L
(10×ULN:正常最大値の10倍)は筋障害(myopathy)と呼ばれ,下肢近位筋の圧痛と筋力低下を認め,発生頻度は0.1%程度です。
スタチンによる横紋筋融解症はきわめて稀な副作用ですが,フィブラート系薬剤との併用では,発生頻度は高くなると言われています。
(2)CKの上昇レベルによる対応法
CKが800 IU/L未満(>ULN,<4×ULN)の場合は,運動によるCK上昇の可能性とスタチン関連CK上昇の可能性があります。
スタチン内服患者に関しては,運動によるCK上昇の可能性について問診し,スタチン関連CK上昇の可能性について考慮します。基本的にこのレベルのCK上昇では,継続投与は容認されますが,脂質異常症,糖尿病,喫煙やメタボリックシンドロームの有無から心血管リスクを勘案し,低リスクの場合には,スタチンをいったん中止し,まず生活習慣の改善をめざすことを優先します。スタチンの再開についてはその後の経過で判断します。
一方,ハイリスク症例では,基本的にスタチン投与の継続は可能とされています。スタチンがCK上昇の原因と考えられる場合には,ほかのスタチンへの変更や,同じスタチンでも投与量を少量から再度開始するという試みが可能です。それでもなお筋症状がある場合は中止が考慮されます。また,スタチン以外の脂質低下療法の併用や変更も考慮されます。
筋症状がない場合には,甲状腺機能異常や運動によるものを考慮しCKとともに再検することが望ましいと思われます。
CKが800 IU/L以上(≧4×ULN,<10×ULN)でスタチンによる筋症状がある場合には,直ちに服用中のスタチンを中止し,CKを経時的に再評価していきます。スタチン投与の継続が必要と考えられる場合には,ほかのスタチンへの変更や,同じスタチンでも投与量を少量から再度開始することは可能で,その際にはCKのモニタリングをしながら投与し,CKが2000 IU/Lを超える(>10×ULN)ようなら,一時中止するなどの対応を行います。
スタチン投与を中止してもなおCK高値の場合,神経内科などの専門医の診察が必要です。
CKが2000 IU/L以上(≧10×ULN,<40×UL
N)では,強度の運動や打撲傷など二次的な場合を除き,スタチンは直ちに投与中止します。この場合もスタチン投与が必要な患者であれば,CKが改善した後,ほかのスタチンへの変更や,同じスタチンでも投与量を少量から再度開始することが可能で,その際にはCKのモニタリングをしながら投与することになります。CKが2000 IU/Lを超える(>10×ULN)ようになるなら,一時中止するなどの対応を行います。
CKが8000 IU/L以上(≧40×ULN)の場合は,スタチンの影響が考えられる場合には,スタチンを中止するのみならず,腎障害をCr値やミオグロビン値およびミオグロビン尿で評価することが必要です。また,腎障害に応じて,補液と尿のアルカリ化の処置を行います。もし,脂質低下療法が必要と判断されればスタチン以外の薬剤を選択します。
CKが800くらいまでは医師の判断により継続という可能性もあるとのこと。
CKが300くらいで即座に中止という判断にはならないようだ。
筋肉痛が発現しただけでは、スタチンやフィブラート系薬による治療を中止する根拠にはならない。
日本動脈硬化学会が2018年12月に公表した「スタチン不耐に関する診療指針2018」では、スタチン投与中に発現した筋症状やCK値上昇の程度に応じた対応を紹介している。それによると、筋肉痛などの筋症状があってもCK値が正常上限の4倍未満で、患者が筋症状を許容できれば、スタチンを継続、あるいは減量して継続が可能としている。継続した場合は、2~4週間後に再度評価する。CK値が正常値の4倍以上10倍未満であっても筋症状がなければ、同様に治療の継続が可能だ。すぐに治療を中止する必要があるのは、菌書状がありCK値が正常上限の10倍以上のケースだ。
横紋筋融解症の定義については世界的に十分なコンセンセスは無いが、米国の定義(ACC/AHA/NHLBL)では、「クレアチニンキナーゼ(CK)値が正常上限の10倍以上に上昇し、Cr上昇を伴う筋症状があり、通常は褐色尿とミオグロビン尿を伴う」となっている。
横紋筋融解症
横紋筋融解症の症状には、筋肉痛、手足のしびれ、全身倦怠感、赤褐色尿などがある。
横紋筋融解症は、骨格筋が融解または壊死し、その細胞成分が血液中に流出する病態です。
特徴としては四肢の脱力感やしびれ、筋肉痛、CK上昇、血中・尿中ミオグロビンの上昇などがあげられます。
腎機能低下患者は出現頻度が高いので特に注意が必要です。
筋障害が強いと骨格筋より流出したミオグロビンによる腎障害が生じるおそれがあり、永続的な血液透析が必要となるだけでなく、播種性血管内凝固症候群(DIC)や多臓器不全の合併から生命に関わる重篤な事態に至ることもあります。
早期発見であるほど予後が良いといわれていますので、横紋筋融解症を起こす可能性のある薬剤を投与している場合には定期的な確認を行うようにしましょう。
急性心筋梗塞とCK
急性心筋梗塞で異常値を示すバイオマーカーは多数存在しますが、それぞれピーク値を示す時期が異なります。CKは心筋梗塞発症後4~24時間後の測定結果診断に有用であるとされています。
ミオグロビンはCKに先行して上昇し、ASTやLDHはCK上昇よりも遅れて上昇することが知られています。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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