記事
スタチンは夕食後に飲んだほうがいい?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約2分23秒で読めます.
11,384 ビュー. カテゴリ:スタチンの用法
スタチンのうち、ローコールとリバロは1日1回夕食後と服用時点が定められている。
(リバロの用法は2013年3月に夕食後が抜けて1日1回となりました)
メバロチンは適用上の注意に「メバロン酸の生合成は夜間に亢進することが報告されているので、適用にあたっては、1日1回投与の場合、夕食後投与とすることが望ましい。」と書かれてる。
リポバスも使用上の注意に「コレステロールの生合成は夜間に亢進することが報告されており、本剤の臨床試験においても、朝食後に比べ、夕食後投与がより効果的であることが確認されている。したがって、本剤の適用にあたっては、1日1回夕食後投与とすることが望ましい。」と書かれている。
リピトール、クレストールには、1日1回とだけで、服用時点は定められていない。
スタチン系の薬をのむ場合に、1日1回なら夕食後に飲むのが望ましいとされるのには理由があります。
肝臓でのコレステロールの合成は深夜から午前2時の間に最高になるため、その時間に薬の効きめが高くなるようにするためには、朝食後に飲むよりも夕食後に飲んだほうが効果的だからです。
アトルバスタチン(リピトール)やロスバスタチンはなぜ「夕食後に飲むこと」となっていないのでしょうか。
アトルバスタチン(リピトール)やロスバスタチンは半減期(血液中の薬の濃度が半分になるまでの時間)が長いという特徴があります。つまり、薬の効きめが長く続くのです。
一般的に半減期が4時間以下のスタチン系の薬は夕食から寝るまでの間にのむべきだと言われています。
アトルバスタチン(リピトール)の半減期は10時間、ロスバスタチンの半減期は15~20時間と長いため、これらの薬は1日のうちいつ飲んでも効果は変わりません。
実際に、朝食後に飲んだ場合と夕食後に飲んだ場合で、コレステロール値の下がり方を比較した試験において、違いがないという結果がでています。
ピタバスタチンも半減期が11時間と長いのですが、他のスタチン系薬剤の用法に合わせて1日1回夕食後に決められたようです。
血圧の薬とか、他の循環器系の薬も飲んでいる場合、朝食後に服用しているものも多いので、それに合わせて朝食後としたほうがコンプライアンスもよいので、ローコールやリバロでも朝食後の処方になってることもある。
ローコールの朝食後処方は必ず疑義照会です。
メバロチンはいつ飲んでもいい?
メバロチンの用法用量には、1日1回投与の場合の服薬時期は規定されておらず、患者さんのライフスタイルに合わせていつ服用してもかまいません。
なお、メバロン酸の血中濃度が夜間に高値を示し、生体内コレステロール合成量と相関するとの報告があるため、添付文書の適用上の注意には、「服用時:メバロン酸の生合成は夜間に亢進することが報告されているので、適用にあたっては、1日1回投与の場合、夕食後投与とすることが望ましい。」と記載されています。
しかし、本剤の臨床試験における1日1回朝、夕投与の比較試験では、有効性と安全性に有意差は認められておりません。
メバロチン よくあるご質問 製品情報 医療関係者のための医薬品情報 第一三共 MedicalLibrary
最近近隣の医療機関から、メバロチン食直後という用法が来た。
患者さんに聞いてもよく理由はわかりませんでした。
メバロチンはいつ飲んでもいいらしい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。