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スタチンが脳卒中予備軍に有効?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約2分25秒で読めます.
2,404 ビュー. カテゴリ:スタチンの脳卒中予防効果
スタチンを投与すると、プラークの進展が抑制されることが報告されています。
海外で行われた複数の大規模臨床試験においても、スタチンの脳卒中予防効果が確認されています。
アメリカでは、リピトールに「血清コレステロール値が正常ないしやや高めで、コレステロール以外の危険因子を併せ持つ人に対する心血管系疾患リスクの軽減」を目的とする適応が承認されています。
狭心症とスタチン
スタチンはLDLコレステロールを減少させることにより、プラークを安定化し、虚血性心疾患の予防効果を発揮する。
日本動脈硬化学会のガイドラインでは虚血性心疾患例のLDLコレステロールは100mg/dL未満を目標としている。
スタチンの作用機序
スタチンの作用機序に関しては本来の脂質低下作用に加え⑴アテローム粥腫の脂質含量の減少に伴うプラークの安定化作用、⑵プラーク破綻に関与する炎症性サイトカインなどを抑制する抗炎症作用、⑶LDLコレステロールが酸化され血管壁に取り込まれることを防ぐ抗酸化作用、⑷動脈硬化を進展させる血球由来の増殖因子や活性酸素を抑制する一酸化窒素(NO)の発現亢進作用、などが報告されている。
総コレステロール値が高くない患者に対して、スタチンが脳卒巾の予防効果を示すのは、このような同薬の多面的な作用によるものと考えられている。
スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)
スタチンはメバロン酸経路の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の働きを阻害することで、肝臓でのコレステロール生合成を低下させる。
その結果、コレステロール恒常性維持のため肝臓でのLDL受容体発現が上昇し、血液から肝臓へのLDLコレステロールの取り込みが促進される。
コレステロール合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を拮抗的に阻害する。
その結果、肝細胞内コレステロールプールは減少し、細胞質に存在する転写因子(SREBP-2)の核内への移行が促される。
次いでSREBP-2はLDL受容体の合成亢進をもたらす。
その結果、血中からのLDLの取り込みの促進が起こるので、強力なコレステロール低下作用を示す。
最近は血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、血小板などに対する作用を介する抗動脈硬化作用も注目されている。
現在わが国ではプラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)、フルバスタチン(ローコール)、アトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)とロスバスタチン(クレストール)がある。
リバロ、リピトール、クレストールのコレステロール低下作用はより強力でありストロングスタチンとも呼ばれる。
スタチンには冠動脈疾患(CAD)に対する一次予防効果と二次予防効果があることが多くの大規模臨床(予防)試験で明らかになっている。
また最近は脳卒中の一次予防・二次予防効果も示されつつある。
・催奇形性を疑う報告があるため、妊婦または妊娠の可能性がある女性、妊娠を希望する女性、授乳婦への投与は禁忌である
・肝障害、CK上昇や筋脱力などのミオパチー様症状、さらに血中および尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症が稀ながら報告されている
・横紋筋融解症などのリスクは、スタチン代謝(CYP3A4、CYP2C9など)に影響を有する薬剤やフィブラート系薬、ニコチン酸誘導体などの併用で増加する
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