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スタチンで血糖値上昇?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約2分4秒で読めます.
3,925 ビュー. カテゴリ:スタチンで糖尿病リスクが上昇?
スタチンを飲むと血糖値が上がるの?
脂質異常症治療薬のスタチン系薬の服用で血糖値が上昇する、という話がある。
スタチン系薬がインスリン感受性とインスリン分泌を低下させることが原因と考えられている。
リピトール(アトルバスタチン)の副作用には、0.1~5%未満で「グルコース上昇、HbA1c上昇」
クレストール(ロスバスタチン)、リポバス(シンバスタチン)の副作用には、0.1%未満で「HbA1c上昇、血糖値上昇」
メバロチン(プラバスタチン)、リバロ(ピタバスタチン)、ローコール(フルバスタチン)の副作用には、血糖上昇の副作用は見られない。
添付文書上では、リピトール(アトルバスタチン)の「重大な副作用」に、「高血糖、糖尿病(いずれも頻度不明)」の記載があり、「特定の背景を有する患者に関する注意」に、「糖尿病の患者:糖尿病を悪化させることがある。」という記載があり、「重要な基本的注意」にも、「高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、口渇、頻尿、全身倦怠感等の症状の発現に注意するとともに、定期的に検査を行うなど十分な観察を行うこと。」とあるので、スタチン系の中では最も強く注意喚起が行われている。
クレストール(ロスバスタチン)、リポバス(シンバスタチン)、ローコール(フルバスタチン)の「その他の注意」には「海外において、本剤を含むHMG-CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。」との記載がある。
添付文書の記載内容から判断すると、リピトール(アトルバスタチン)>クレストール(ロスバスタチン)、リポバス(シンバスタチン)>メバロチン(プラバスタチン)、リバロ(ピタバスタチン)、ローコール(フルバスタチン)の順に血糖上昇リスクがあり、とりあえずリバロ使っておけば安心という風にも判断できる。
また、リピトールの「糖代謝に及ぼす影響(国内)」をみると、
高脂血症を合併した糖尿病患者50例(プラセボ群24例、本剤群26例)に本剤10mg又はプラセボを二重盲検群間比較試験として12週間投与し、本剤の有効性および安全性を検討した。本剤を12週間投与した結果、HbA1c、1,5-AG及びフルクトサミンに対する変化は、本剤群とプラセボ群との間に有意差は認められなかったことから、本剤は糖代謝に対する影響はなかった。
との記載もみられる。
つまり、海外でそのような副作用報告があるものの、日本では長期使用によるスタチンの血糖値に対する影響はあまり検討されていない。
スタチンを長期服用している患者さんが、糖尿病になったとして、それが副作用という認識にあまり至らない。
そもそも高脂血症の人は糖尿病を合併するリスクが高いので。
リピトール錠10mg 1錠
1日1回朝食後 30日分
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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