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肝障害患者にゼチーアとメバロチンを併用しちゃダメ?
公開. 更新. 投稿者:脂質異常症.この記事は約2分37秒で読めます.
2,537 ビュー. カテゴリ:ゼチーアとスタチンの相互作用
スタチン系薬剤を使っている患者にゼチーアが追加されることは多いですが、
ゼチーアの添付文書の禁忌に以下のように書かれている。
本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合,重篤な肝機能障害のある患者
ゼチーア単体でも肝障害患者における血中濃度はかなり高くなっているので、「本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合」という文言を抜いても良いような気はするが、使いたい事情もあるのだろう。
そもそも、リピトール、クレストール、リポバス、リバロ、ローコールは肝障害患者に禁忌となっているので、これらのスタチン単味でも重篤な肝機能障害のある患者には投与できない。肝障害患者に投与できるスタチンは、メバロチンのみである。
つまり、ゼチーアの禁忌で注意しろ、と言っているのは、肝機能障害があるために他のスタチン系薬剤が使えないので、メバロチンを使っている患者に、ゼチーアが上乗せされて処方される場合である。
スタチン飲んでる患者の肝機能には要注意です。
ちなみに、カデュエットもリピトールが入っているので肝障害患者に禁忌です。
リピトール(アトルバスタチン)とゼチーアの合剤の「アトーゼット」という製品も出てきましたが、その禁忌には以下のように書かれている。
重篤な肝機能障害のある患者及び肝代謝能が低下していると考えられる以下のような患者
急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝癌、黄疸〔肝硬変患者において、アトルバスタチンの血漿中HMG-CoA還元酵素阻害活性体濃度が健康成人に比べて上昇した(AUCで4.4~9.8倍)臨床試験成績がある。したがって、これらの患者ではアトルバスタチンの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が増加するおそれがある。また、アトルバスタチンは主に肝臓において作用し代謝されるので、肝障害を悪化させるおそれがある。
リピトールの禁忌には「重篤な肝機能障害のある患者」の部分が記載されていない。ゼチーアの禁忌の「本剤とHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用する場合,重篤な肝機能障害のある患者」から引っ張ってきたのだろう。
リピトールの禁忌の文言には、もちろん「重篤な肝機能障害のある患者」も含まれていると思っていたので違和感がある。
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