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胃もたれに制酸剤は効くのか?
公開. 更新. 投稿者:消化性潰瘍/逆流性食道炎.この記事は約2分0秒で読めます.
3,116 ビュー. カテゴリ:胃酸で胃もたれ?
胃酸の分泌を抑える薬には、H2ブロッカーやPPIなどの制酸剤があります。
胃酸の出過ぎによる、胃痛、胸やけに、それらの制酸剤は効果的です。
しかし、胃もたれの症状に、これらの胃酸を抑える薬は効くのだろうか?とふと疑問に思う。
胃もたれの原因が「消化不良」であるならば、胃酸を抑えてしまうと、消化を妨げて、胃もたれは逆にひどくなるのではないか、と思う。
それよりも、AM散とかタフマックみたいな消化酵素系の消化剤のほうが、理に適っているのではないかと。
「胃もたれ」といっても、食べすぎによる胃もたれではなく、胃酸による胃もたれというのがある。
胃酸が出過ぎると、腸で酸の中和が間に合わなくなるため、胃に、「これ以上消化物を送らないように」という指令を出して、胃の動きを止めるのです。それと同時に、脳にも「これ以上食べないように」という指令を出します。
これにより感じる症状が「胃もたれ」なのです。
空腹時に胃もたれ?
胃内にチューブを挿入し、胃酸と同程度の酸を注入すると、健康な人でも胃のもたれやお腹の張りなど、いわゆる胃もたれ症状を感じることが報告されています。
つまり、胃酸の出すぎは、胃もたれを引き起こす可能性があります。
胃酸過多になると、食べ物が入っていない空腹時にも胃酸分泌がさかんになり、胃粘膜を傷つけ胃痛の原因になります。
H2ブロッカー等で胃酸の分泌量を抑制することにより、症状緩和が期待されます。
胃もたれの原因
胃もたれを訴える患者は、食べ過ぎ・飲み過ぎや疲労などで胃の働きが弱っているタイプと、コーヒーなどカフェイン含有飲料の飲み過ぎや強いストレスなどで胃酸が出過ぎているタイプの2つに大別できる。
胃の働きが弱っているタイプは、食後に症状が現れることが多く、訴えとして消化不良や腹部膨満感、食欲不振、胃のむかつきがある。
一方、胃酸が出過ぎるタイプは、空腹時に症状が現れることが多く、胃もたれとともに、胃痛、胸焼けを訴えるのが特徴的である。
つまり、食後に胃がもたれるのは食物によって、空腹時に胃がもたれるのは胃酸によって、ということのようだ。
食べすぎによる胃もたれにH2ブロッカーは効かない
空腹時の胃もたれは胃酸が原因によることがあるので、胃酸の分泌を抑えるガスターなどのH2ブロッカーやPPIが効果的である。
しかし、ふつうの胃もたれは食べ過ぎ、飲み過ぎが原因であることが多いので、食べ過ぎによって胃痛、腹痛があったとしてもガスターなどの胃酸分泌抑制薬には効果が無い。
服薬指導のとき、「胃薬」としか伝えないと、胃の症状全般に効果があると思い込む患者さんもいる。
「食べ過ぎたときに使っている」という患者さんもいたので、そのような時には効果が無いことを伝える必要がある。
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