記事
薬と相互作用のある飲食物一覧
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態. タグ:薬剤一覧ポケットブック. この記事は約3分40秒で読めます.
12,975 ビュー. カテゴリ:薬と飲食物の相互作用
薬と食事の内容って関係あるの?
薬歴の記載項目に、
飲食物(現に患者が服用している薬剤との相互作用が認められているものに限る)の摂取状況
というのがある。
「何か健康のために飲んだり、食べたりしているものはありますか?」
と聞いてみて、何かあれば、薬との相互作用があるかどうか確認する必要がある。
添付文書上に載っているものとしては以下のような薬がある。
飲食物 | 相互作用 |
---|---|
青汁 | ワーファリン |
赤ワイン | MAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、ザイボックス |
アルコール(飲酒) | ワーファリン、アセトアミノフェン、メトホルミン、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、サイクロセリン、ザイアジェン、タリージェ、ディアコミット、デムサー、ニトロダームTTS、ネオレスタミンコーワ散、バイカロン、ヒベルナ、フィコンパ、フラジール、ブコラム口腔用液、ミニトロテープ、メファキン、リリカ、レスタミンコーワ、ロゼックスゲル |
牛乳、乳製品 | Ca製剤、エストラサイト、酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、シプロキサン |
グレープフルーツジュース | Ca拮抗薬、アイクルシグ、アドシルカ、アフィニトール、アブストラル舌下錠、アムノレイク、アメナリーフ、アルンブリグ、イブランス、イレッサ、インライタ、イーフェンバッカル、エドルミズ、オーラップ、カボメティクス、グラセプター、グリベック、コララン、コルヒチン、サデルガ、サムスカ、サンディミュン、サーティカン、ザルティア、シアリス、ジャクスタピッド、スプリセル、スーテント、ゼンタコート、タイケルブ、タシグナ、タルセバ、テグレトール、トラクリア、パルタンM、ブコラム口腔用液、プレタール、プログラフ、ラパリムス、リアメット配合錠、リピトール、リポバス、ルパフィン、 レクタブル2mg注腸フォーム、レグパラ、レミッチ、レルパックス、ロズリートレク、ロナセン、ローブレナ、ヴォトリエント |
クロレラ | ワーファリン |
コーヒー | ディアコミット、フェルム |
コーラ | ディアコミット |
そら豆 | エフピー |
チーズ | MAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、イスコチン、ザイボックス |
チョコレート | ディアコミット |
納豆 | ワーファリン |
にしん | エフピー |
バナナ | エフピー |
ビール | MAO-B阻害薬(アジレクト、エフピー)、ザイボックス |
マグロ | イスコチン |
レバー | エフピー |
紅茶 | ディアコミット |
酵母 | エフピー |
日本茶(緑茶) | ディアコミット、フェルム |
やっぱり広い範囲で注意が必要なのはグレープフルーツジュースですね。
薬の方では、MAO阻害薬が色んな食品との相互作用があるので注意が必要です。
頻度が多いのは、やはりアルコールとの相互作用だろう。飲酒習慣については聴取しておくことが必要。
酸化マグネシウムと牛乳についても注意は必要ですが、「心配しないように」という助言も必要。
ハイリスク薬について「薬局におけるハイリスク薬の薬学的管理指導に関する業務ガイドライン」でも、「一般用医薬品やサプリメント等を含め、併用薬及び食事との相互作用の確認」という確認事項があるが、ハイリスク薬であれば、ワーファリンと納豆、テオフィリンとカフェイン(お茶、コーヒーなど)が注意すべき飲食物との相互作用である。
医薬品と食品の相互作用
医薬品と食品の相互作用といえば、納豆とワーファリン、Ca拮抗薬とグレープフルーツジュースなどが有名です。
主なものは以下のとおり。
医薬品 | 食品 |
---|---|
Ca拮抗薬 | グレープフルーツジュース |
アムノレイク | 牛乳、高脂肪食 |
イソニアジド | チーズ、マグロ |
インビラーゼ | ニンニク |
エストラサイト | 牛乳、乳製品 |
エフピー | チーズ、レバー、にしん、酵母、そら豆、バナナ、ビール、ワイン |
オクソラレン | セロリ、ライム、ニンジン、パセリ、イチジク、アメリカボウフウ、カラシ |
ザイボックス | チーズ、ビール、赤ワイン |
酸化マグネシウム | 大量の牛乳 |
チガソン | 牛乳、高脂肪食 |
テオフィリン | コーヒー |
ドラール | 食物 |
ニューキノロン系抗菌薬 | 牛乳 |
ノベルジン | 食物 |
ビスホスホネート製剤 | 水以外の飲料、食物 |
フェルム | 濃い緑茶、コーヒー |
メタライト | 食物 |
ワーファリン | 納豆、クロレラ食品、青汁 |
健康食品(サプリメント)に関しては、未だ相互作用の判明していないものも多いと思われるので、薬効に影響を及ぼす可能性は否定できない。
偏った食生活も同様に注意する必要がある。
薬が食物の吸収に与える影響
薬と食物の相互作用についてみるとき、いつも薬中心に相互作用を見ていると、薬の働きにどう影響するのか、という視点からしか見えない。
逆に、薬が食物の吸収にも大きく影響することがある。
キレート化や吸着によってミネラル吸収量が低下したり、薬効の発現によってもたらされる分布の変化、排泄の亢進や低下、代謝の変動によってミネラル・微量栄養素の栄養状態が変化し、欠乏や過剰による障害がもたらされる。
食品と食品の相互作用
薬に相互作用があるように、食べ物にも相互作用がある、かもしれない。
うなぎと梅干し、天ぷらとスイカなど、食べ合わせの悪い食べ物の言い伝えがあります。
しかし、医学的根拠は無いようです。
脂肪の多いウナギは梅干を一緒に食べるとついつい食べ過ぎてしまうため、消化不良を起こしやすい。
天ぷらの様な脂っこいものの後に、おなかを冷やす様な冷たく冷やしたスイカなどを食べると、胃腸をこわして下痢をしやすくなる。
というような理由が挙げられています。
アセトアミノフェンとキャベツ
アセトアミノフェンとキャベツは飲み合わせが悪いそうです。
聞いたことありませんでした。
添付文書には書いてありません。
キャベツに含まれるグルクロン酸がアセトアミノフェンの代謝を促進するからとのこと。
アセトアミノフェンと炭水化物
他にも、あんこのような糖分の多い食品を食べるとアセトアミノフェンとくっついて吸収が遅れるそうです。
米やパン、麺類のような炭水化物も同じく。
食事とは間隔を空けたほうがいいのか?
しかし、アセトアミノフェンはなるべく食後で服用となっている。
添付文書に記載されてないので、相互作用はあるけど、薬効に影響を及ぼすほどのものじゃ無いと理解してよいかな。
それに食事をきちんと取るほうが、アセトアミノフェンごときの薬を飲むより重要。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。