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ブコラム口腔用液は外用薬?
公開. 更新. 投稿者:てんかん.この記事は約2分18秒で読めます.
6,161 ビュー. カテゴリ:ブコラム口腔用液
ブコラム口腔用液(ミダゾラム)という「てんかん重積状態」を効能効果にもつ薬が、2020年12月に発売されていた。
ミダゾラムって聞いたことあるなあ、と思ったら「ドルミカム注射液」という注射剤がすでに販売されていた。
「てんかん重積状態」っててんかんの発作時ってことじゃないの?そんなときに薬飲めるの?と思ったら、このブコラム口腔用液は内服薬ではないらしい。
まず「てんかん重積状態」とは、
発作がある程度の長さ以上続く状態、または短い発作の場合でも繰り返し起こってその間の意識がない状態で、生命に危険が及ぶ可能性があります。従来は、発作が「30分間以上続いた場合」に重積状態とされていましたが、最近の考え方では5〜10分間以上発作が続く場合はてんかん重積状態と判断して治療を開始するようになりました。
【てんかんinfo】てんかん発作の種類:解説映像 (tenkan.info)
単発の発作では重積状態ではなく、長引くような場合に、ブコラム口腔用液の出番がくるわけですね。
てんかん発作がおきても通常は数分間で自然に消退します。しかし、発作が異常に長引いたり、いったん発作が終わっても意識が戻らないうちにまた繰り返す場合は、てんかん重積状態といいます。
てんかん重積状態とは、国際抗てんかん連盟(ILAE)が1981年に作成した分類によると、「けいれん発作が30分以上続くか、または、短い発作でも反復し、その間の意識の回復がないまま30分以上続く状態」と定義されています。
また、2012年に米国のNeurocritical Care Societyが発表したガイドラインによると、「けいれん発作が5分以上続くか、または、短い発作でも反復し、その間の意識の回復がないまま5分以上続く状態」と定義されています。
添付文書の注意書きを見ていくと、
非けいれん性てんかん重積状態に対して、保護者又はそれに代わる適切な者が本剤を投与する場合は、重症度や患者の包括的な医療環境を考慮して、投与可能であると医師が適切に判断した患者にのみ投与すること。
そりゃ、患者本人が発作時に薬を使えるわけがないので、保護者や介護者、介助者が薬を使える状況になければならない。学校で教師が使用するようなケースもあるだろう。
注射みたいなシリンジタイプですが、口腔内に注入して使用する。
用法は以下の通り。
通常、修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回2.5mg、1歳以上5歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回5mg、5歳以上10歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回7.5mg、10歳以上18歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回10mgを頬粘膜投与する。
修正在胎???
このような表現を初めて聞きました。
確かに、早産児で、予定より2カ月早く生まれた子に対して、2カ月経過時点で生後2か月と同様に評価するのはおかしいことです。
分娩予定日は、在胎40週0日のこと、なので、40週で生まれるのが平均とすると、52週は通常生後3ヵ月くらいになる。
処方される機会にはなかなか巡り合わないだろうけど、知っておこう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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