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テクフィデラとイムセラの違いは?
公開. 更新. 投稿者:免疫/リウマチ.この記事は約2分3秒で読めます.
3,798 ビュー. カテゴリ:多発性硬化症治療薬
多発性硬化症という難病があります。
林家こん平が罹った病気としても有名です。
多発性硬化症の治療薬として、今までイムセラ/ジレニア(フィンゴリモド塩酸塩)という薬がありましたが、2017年2月にテクフィデラ(フマル酸ジメチル)という薬も多発性硬化症に適応を取りました。
テクフィデラの薬価は、
テクフィデラカプセル120mg:2037.2円
テクフィデラカプセル240mg:4074.4円
高いですね。
と思ったら、イムセラカプセル0.5mgの薬価は、8148.7円でさらに高い。
テクフィデラで効果があれば、安いほうが良い。
と思ったら、テクフィデラ1日480mgが常用量なので、イムセラと同等の薬価になる。
通常、成人にはフマル酸ジメチルとして1回120mg1日2回から投与を開始し、1週間後に1回240mg1日2回に増量する。なお、いずれの場合も朝・夕食後に経口投与する。
テクフィデラの一般名は、フマル酸ジメチルというシンプルな一般名ですが、この物質は皮製の家具やソファーの防カビ剤として用いられています。
ヨーロッパでは、2009年5月よりフマル酸ジメチルを含有する製品の輸入を禁止する緊急法規が発令されました。
その理由として、フマル酸ジメチルによる皮膚炎が多発したためです。
フマル酸ジメチルを小さな袋に入れ、クッションの内部などに入れていたのですが、人間の体温で気化し、皮膚に付着し皮膚炎を起す原因となりました。
皮膚炎起こすような成分を飲んでも大丈夫なのか?という不安はあります。
それに、防カビ剤として使われているくらい汎用されている物質であるということは、安価に作れそうな気がしますが…薬ってそういうことじゃないですからね。臨床試験とか色々お金のかかる作業があります。
テクフィデラの作用機序
テクフィデラの作用機序は、NRF2(nuclear factor-like 2)転写経路を活性化し、脱ミエリン化を引きおこすことで、酸化ストレスを減弱させるという。
一方、イムセラはスフィンゴシン1-リン酸1(S1P1)受容体調節薬(S1P1受容体機能的アンタゴニスト)と呼ばれ、生体内でスフィンゴキナーゼにより活性代謝物のリン酸化体に変換されたあと、リンパ球上のスフィンゴシン1-リン酸1受容体(S1P1受容体)に作用し、その受容体機能を阻害します(機能的アンタゴニスト作用)。
この阻害作用により、自己反応性リンパ球の中枢神経系への浸潤が阻止され、多発性硬化症の神経炎症を抑制する。
イムセラは、アンカロンやソタコール、アミサリンと併用禁忌であり、妊婦にも禁忌、警告にも専門医による処方、循環器や感染症に関する注意が記載されており、かなり注意を要する医薬品である。
それに比べると、テクフィデラの禁忌は過敏症のみで、安全性が高い?ように感じる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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