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鎮咳作用と去痰作用は共存するのか?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分56秒で読めます.
2,551 ビュー. カテゴリ:鎮咳去痰薬
個人的に昔から気になっていることを考察していきたい。
咳を止める鎮咳薬と、痰を出しやすくする去痰薬。
咳を止めれば、痰は出しにくくなる。
つまり、相反する作用なのではないのか?
鎮咳作用と去痰作用を併せ持つ薬があるが、その作用メカニズムはどうなっているのか?自己矛盾しているような気がする。
アスベリン(ヒベンズ酸チペピジン)、レスプレン(エプラジノン塩酸塩)などが鎮咳作用と去痰作用を併せ持つ薬である。
鎮咳作用としては、咳中枢の興奮を抑えることで作用をあらわす。
去痰作用としては、気道分泌液増加作用と粘液溶解作用などにより痰を排出しやすくする。
レスプレンの添付文書の薬効薬理の説明をみると、
モルモット、ネコ、イヌ等を用いた電気的刺激、機械的刺激、化学的刺激実験においてコデインリン酸塩水和物に匹敵する鎮咳作用を示した。
アスベリンの添付文書の薬効薬理の説明をみると、
イヌ16mg/kg(チペピジンとして)経口投与により、コデインリン酸塩とほぼ同程度の鎮咳作用(咳嗽犬法)を示す。
人間のは無いのかい。
ネコやイヌを飼っていないので詳しくはわかりませんが、犬や猫が咳をしているところを見たことが無い。
古くから使われている薬なので、安全性は高いが、その分効果も低い。
鎮咳作用も去痰作用も併せ持つ薬というのはたぶん、どっちも中途半端な薬なんだろうな。
咳のメカニズム
咳は気道内の異物や過剰分泌物を排除しようとする働きからくるものと、気道粘膜の乾燥、炎症、潰瘍などによって発生するものとがある。
風邪による咳は、前者であり、原因となる病原菌を排除しようとする生体防御反応である。
風邪をひいたときに、むやみに咳を止めることはウイルスの排出を妨げ、風邪の治りを遅延させることになる。
「咳が出るから,止めればよい.」というのは間違っています.アスベリンを含む中枢性鎮咳薬は服用しないでください.当院では10数年以上,中枢性鎮咳薬を処方していません.
私も同意です。
咳を止めるのは誰のため?
自分自身も「咳を止めたい」と思うことはしばしばあります。
仕事中、接客中、咳をしていたら、支障が出ます。
また、小児の咳止めは、本人のためではなく、親のために処方するケースもある。
「子供が咳をしていると気になるから、咳を止めたい。」という親。
こういう親には、いくら「咳を止めるのはよくない」と言っても聞く耳持たず。
こういうケースでは、効いてるかどうだかわかんない程度の咳止めを処方するのがちょうどいい。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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