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似ている構造式の薬一覧
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤. タグ:薬剤一覧ポケットブック. この記事は約4分54秒で読めます.
7,251 ビュー. カテゴリ:誘導体
禁忌の項目に、「〇〇誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者」という記載がみられる薬がある。
以下の薬に記載がみられた。
医薬品名 | 一般名 | 禁忌の記載 |
---|---|---|
アフィニトール | エベロリムス | 本剤の成分、シロリムス又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
アリセプト | ドネペジル塩酸塩 | 本剤の成分又はピペリジン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ | リバスチグミン | 本剤の成分又はカルバメート系誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
イノベロン | ルフィナミド | 本剤の成分又はトリアゾール誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
イーケプラ | レベチラセタム | 本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
サーティカン | エベロリムス | 本剤の成分、シロリムス又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
スプレキュア点鼻液 | ブセレリン酢酸塩 | 本剤の成分又は他のGnRH誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ダイアート | アゾセミド | スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ナサニール点鼻液 | ナファレリン酢酸塩 | 本剤の成分又は他のGn-RH誘導体に対して過敏症の既往歴のある患者 |
ナトリックス | インダパミド | チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対して過敏症の既往歴のある患者 |
ノルモナール | トリパミド | チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ラシックス | フロセミド | スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ラパリムス | シロリムス | 本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
ルプラック | トラセミド | 本剤の成分又はスルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者 |
誘導体としては以下のようなものがある。
シロリムス誘導体
ピペリジン誘導体
カルバメート系誘導体
トリアゾール誘導体
ピロリドン誘導体
GnRH誘導体
スルフォンアミド誘導体
誘導体で言われてもピンと来ない。
例えば、モーラス(ケトプロフェン)とリピディル(フェノフィブラート)は構造が似ているので交叉感作性を有するというのは有名だが、モーラステープの添付文書上の禁忌の記載は、
チアプロフェン酸、スプロフェン、フェノフィブラート並びにオキシベンゾン及びオクトクリレンを含有する製品(サンスクリーン、香水等)に対して過敏症の既往歴のある患者[これらの成分に対して過敏症の既往歴のある患者では、本剤に対しても過敏症を示すおそれがある。]
と詳しく成分名について記載されているので、わかりやすい。
各医薬品の製薬会社のホームページに誘導体に関する記載がみられるものもあった。
アリセプトのエーザイのHPにはピペリジン誘導体を含有する薬剤について記載されている。
リバスタッチパッチの小野薬品工業のHPにはカルバメート系誘導体に関する記載がみられた。
カルバメートとはカルバミン酸エステル( >N-CO-O- )の総称です。
薬効分類番号1225「カルバメート系製剤」に分類される医薬品として、リンラキサー錠(一般名:カルバミン酸クロルフェネシン)、ロバキシン顆粒(一般名:メトカルバモール)があります。
なお、カルバメート系誘導体の医薬品(薬効分類番号1225には分類されていないが、カルバメートの構造をもつ医薬品)として、ワゴスチグミン(一般名:ネオスチグミン)、メスチノン(一般名:ピリドスチグミン)、ウブレチド(一般名:ジスチグミン)などがあります。
しかし、アリセプト以外のピペリジン誘導体、リバスタッチ/イクセロン以外のカルバメート系誘導体には、禁忌の項目には、それぞれの誘導体名の記載はない。
大抵の薬の禁忌項目には、「本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者」という記載のみであるが、例えばセレネースの禁忌には、「本剤の成分又はブチロフェノン系化合物に対し過敏症の患者」と記載されており、リンラキサーには「本剤及び類似化合物(メトカルバモール等)に対し、過敏症の既往歴のある患者」と禁忌の範囲が異なる。
大体、似た成分で過敏症が起これば、その薬でも過敏症を起こす可能性は高いので、全て「本剤及び類似化合物に対し、過敏症の既往歴のある患者」とすればスッキリするような気もするが、禁忌にしてしまうと使いづらくなるので、「本剤」のみにしている薬が多いのかも知れない。
ザジテン飲んで薬疹起こした人にアリセプト使えないとかになると不便極まりない。
モーラスとリピディルは似ている?
モーラステープ(ケトプロフェン)は脂質異常症治療薬のリピディル(フェノフィブラート)による過敏症の既往がある患者には投与禁忌になっています。
これはケトプロフェンとその光分解物が共有するベンゾフェノン骨格が、フェノフィブラートのチオフェンフェニルケトン骨格と似ており、ケトプロフェンとフェノフィブラートの間に交叉感作があるためです。
他にもスルガム(チアプロフェン)、スレンダム軟膏(スプロフェン)などもベンゾフェノン構造を有しています。
誘導体の禁忌
イーケプラの添付文書の禁忌に、
本剤の成分又はピロリドン誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者
と書かれている。
あーピロリドン誘導体ね。ってわからねー。
薬剤師たるもの医薬品の構造式くらい覚えるべし。
というのは綺麗事。そこまではちょっと。
とりあえずミオカームという薬がピロリドン誘導体らしい。
イーケプラの一般名はレベチラセタム。
化学名は2-(2-オキソピロリジン-1-イル)ブチラミド。
ミオカームの一般名はピラセタム。~セタムというのがキーワード。
化学名は2-オキソ-1-ピロリジンアセタミド。
ミオカームにアレルギーのある患者は、イーケプラも使えないというわけです。
しかし、N-メチル-2-ピロリドンというピロリドン誘導体は、塗り薬や湿布などに溶媒として入っている。
また、ポビドンヨードはポリビニルピロリドンとヨウ素の錯化合物で、ヨウ素を遊離することにより殺菌作用を示す。
ミオカームやイーケプラにアレルギーを持つ人は、塗り薬や湿布、うがい薬などの使用にも注意を要すると考えられる。
ピロリドン誘導体以外にも禁忌の項目に~誘導体と書かれているものをしばしば見かける。
薬品名で書いてくれ厚労省の不親切、と思うのは甘ったれ薬剤師の言い訳でしょうか。
・ピペラジン誘導体
アタラックス、ザイザル、ジルテック
・ピペリジン誘導体
アリセプト
・シロリムス誘導体
アフィニトール、サーティカン、ラパリムス
・スルフォンアミド(スルホンアミド)誘導体
SU剤
チアジド系利尿薬(フルイトラン、ベハイド)、チアジド系類似薬(ナトリックス、アレステン)
ラシックス、オイテンシン、ダイアート、アレリックス、ダイアモックス
トルソプト、エイゾプト
アマージ、イミグラン
セレコックス
アザルフィジンEN
・トリアゾール誘導体
イノベロン
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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