2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ゼラチンアレルギーに禁忌の薬?

ゼラチンアレルギー

ゼラチンアレルギーです、という患者に出会ったことは無いが、ゼラチンアレルギーという人がいるそうだ。

ゼラチンアレルギーとは、様々なものに含まれるゼラチンという物質がもとでアレルギー症状を起こすアレルギーの一種。
世界の100万人に約30人しかいないとされる非常に稀有なアレルギー。
食物に混入しているゼラチンは胃で低アレルギー化するため、ゼラチンアレルギー患者でも重度な症状を起こすことは稀である。
しかし、注射液の安定剤などにもゼラチンが含まれているため、注射などで体内に直接入ってくるゼラチンは低アレルギー化されないために重度になる可能性がある。
ひどくなると、呼吸困難などを引き起こし死に至る場合がある。ゼラチンアレルギー – Wikipedia

このゼラチンアレルギー患者に投与してはいけない薬がある。
カプセルは原材料としてゼラチンを含んでいるものも多いので、カプセル全般気を付けなければいけないのかも知れないが、添付文書上ゼラチンアレルギーに禁忌とされているのは「エスクレ坐剤」のみである。

エスクレ坐剤の禁忌には、以下のように書かれている。

本剤の成分(ゼラチン等)に対して過敏症の既往歴のある患者
[本剤のカプセルの主成分はゼラチンである。ワクチン類に安定剤として含まれるゼラチンに対し過敏症の患者に、本剤を投与したところ過敏症が発現したとの報告がある。また、本剤投与によりショック様症状を起こした患者の血中にゼラチン特異抗体を検出したとの報告がある。]

ゼラチンは添加物もしくはカプセルの原材料として非常に多くの医薬品に使用されているが、経口剤が問題となることはなく、留意が必要なのは坐剤や注射剤である。
坐薬は腸管粘膜からの吸収が良い為、強いアレルギー反応を起こす可能性があると考えられる。また、血栓溶解剤であるウロキナーゼ注射液の一部やカルシトニン製剤などにはゼラチンが添加されていることから慎重な投与が求められている。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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