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春季カタルと花粉症の違いは?
公開. 更新. 投稿者:花粉症/アレルギー.この記事は約2分50秒で読めます.
3,294 ビュー. カテゴリ:春季カタル
春季カタルって花粉症じゃないの?
春季カタルと聞くと、「花粉症のアレルギー性結膜炎の重症バージョン?」というイメージです。
春季カタルは、上まぶたなどが腫れたり痛みが伴う目の疾患。
これまでは春に患者が増えたが、最近は通年で目立つ。春季カタルというが、春以外でも見られる。
重症のアレルギー性結膜疾患の一つで、九、十歳の男児に多いという。
カタルとは、感染症の結果生じる粘膜腫脹と、粘液と白血球からなる濃い滲出液を伴う病態のことをいいます。
目のかゆみが非常に強く、黒目(角膜)の表面に多くの小さな傷ができるために異物感が強く、光をまぶしく感じます。上まぶたの裏側に石垣状の隆起ができたり、黒目と白目の境目が充血したり腫れたりする。
炎症が強いときは、角膜に白い混濁ができることがあります。
ひどくなると、混濁部分で上皮が剥がれ落ちて「角膜潰瘍」という状態になることもあります。
アレルギー性結膜炎といえば、花粉が原因の季節性アレルギー性結膜炎の患者が多い。
また、ハウスダストなどによる通年性アレルギー性結膜炎もある。
しかし、春季カタルはこれらのアレルギー性結膜炎とは異なるという。
アレルギー反応を生じさせる外来異物には、花粉、ダニ、ハウスダスト、動物の毛、コンタクトレンズなどがあるが、春季カタルの主な原因はダニともいわれている。
ダニは高温多湿が好きなので、暖かくなってくる春先から増えてくる。
花粉症によく使われる抗ヒスタミン薬のアレジオン点眼液、ザジテン点眼液、パタノール点眼液、リボスチン点眼液などの適応症は、「アレルギー性結膜炎」である。
メディエーター遊離阻害薬のアレギサール/ペミラストン点眼液、インタール点眼液の適応症は、「アレルギー性結膜炎、春季カタル」となっている。
免疫抑制剤のタリムス点眼液(タクロリムス)、パピロックミニ点眼液(シクロスポリン)の適応症は、「春季カタル」である。
即時型アレルギーと遅延型アレルギー
簡単に言ってしまえば、花粉症はⅠ型アレルギーで春季カタルはⅣ型アレルギー。
作用機序 | 代表的疾患 | |
---|---|---|
Ⅰ型アレルギー(即時型) | 抗原抗体反応がおこりヒスタミン等が分泌され、アレルギー症状が発現します。 | 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型が絡みあっています) |
Ⅱ型アレルギー(細胞傷害型) | 何らかの原因で自分の細胞が抗原として認識されてしまう。自分の細胞に対する抗体が産生され自分の細胞が攻撃しまう。 | 自己免疫性溶血性貧血、橋本病(甲状腺機能低下症)、バセドウ病(甲状腺機能亢進症 |
Ⅲ型アレルギー(アルサス型) | 可溶性抗原(体液に溶けている抗原)に対して自分自身で攻撃する。 | 関節リウマチ、SLE(全身エリトマトーデス) |
Ⅳ型アレルギー(遅延型) | 抗体は関係なく、抗原により細胞が直接刺激されるアレルギー。抗原に接触することで感作された細胞が反応する。即時型とは違い1日とか2日の時間を要するため遅延型と言われる。 | アトピー性皮膚炎(アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型が絡みあっています)、接触性皮膚炎、春季カタル、フリクテン性結膜炎 |
そのため、抗ヒスタミン薬は花粉症には効くけれど、春季カタルには効きにくい。メディエーター遊離阻害薬や免疫抑制剤が効果があるというわけ。
アトピー性皮膚炎がⅠ型とⅣ型がからんでいるという話ですが、気管支喘息もロイコトリエン拮抗薬が効く遅発型もあるし、花粉症にしてもⅠ型とⅣ型がからんでたりするような気もして、アレルギー反応って難しいなあ。
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