2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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モーラステープで胃腸障害?

貼付剤や塗布剤では胃粘膜障害は起きないのか

NSAIDsの副作用といえばNSAIDs潰瘍のような胃粘膜障害。

モーラステープやボルタレンテープなどの貼り薬では、添付文書上特に消化器症状の副作用の記載はない。

ロキソニンテープにはありますが。

貼り薬で胃粘膜障害は起きないのか。

貼付剤、塗布剤などの皮膚から吸収するNSAIDs製剤では、皮膚から皮下脂肪、筋肉、滑膜、関節液と、体の深部にいくほど薬物濃度が低くなり、血中濃度が最も低くなっています。

同じ含有量を投与した場合、経皮での血中濃度は経口の約1/40とのことです。

経口と経皮とで薬物濃度を比較すると、皮膚では経皮のほうが圧倒的に高く、皮下脂肪や筋肉、滑膜ではほぼ同等、関節液や血中では経口のほうが高くなっています。

この結果から、貼付剤や塗布剤では限局した部位においては全身性の副作用のリスクなく経口とほぼ同等の効果が得られると推測される。

参考書籍:クレデンシャル2012.5

NSAIDs外用薬

非ステロイド系消炎外用剤は、①局所で消炎・鎮痛作用を有する、②全身性の副作用を認めない、③ステロイド外用剤特有の局所性服作用は認められない、④長期間、あるいは広範囲の塗布を必要とする疾患に使用し得るなどの特徴を持つ。

非ステロイド系消炎鎮痛剤は皮膚の炎症を抑える効果を期待して皮膚科領域で用いられる非ステロイド系外用剤と関節・腱鞘等での鎮痛を目的に整形外科等で主に用いられる消炎鎮痛剤の2つに分けられる。

1.主に皮膚科領域で用いられる非ステロイド系外用剤(スプロフェン、ブフェキサマク、ベンダザック、ウフェナマート、イブプロフェンピコノール、ジメチルイソプロピルアズレン、グリチルレチン酸)

2.整形外科等で主に用いられる消炎鎮痛剤(ジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、ケトプロフェン、ピロキシカム、フェルビナク) 皮膚科領域の非ステロイド系外用剤はステロイド外用剤に比べると抗炎症作用が格段に弱い。

ステロイド外用に伴う皮膚症(酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎等)、疼痛を伴う帯状疱疹、急性湿疹、アトピー性皮膚炎等の湿疹、皮膚炎群等に保険適用がある。

アトピー性皮膚炎などでは炎症が治まった後の寛解期に皮膚の保護に用いる。 整形外科領域で用いられる消炎鎮痛外用剤は、関節・腱・腱鞘・筋肉などの消炎・鎮痛に用いる。 剤形としては湿布剤(ゲル・クリーム・ローション)の他、貼付剤がある。

貼付剤にはパップ剤(水溶性高分子)とテープ剤(プラスター剤;油性基剤)とがある。

パップ剤は多量の水を含んで冷却効果に優れており、テープ剤は皮膚密着性に優れており、膝・肘など可動部への貼付に適する。

いずれも全身的副作用が殆どなく、胃腸障害、肝・腎機能障害患者や高齢者等への投与可能等の利点がある。

副作用としては、どちらの領域の非ステロイド外用剤でも数%にひりひり感など皮膚の刺激感がみられ、また、しばしばアレルギー性の接触皮膚炎等を認める。

また、外用後の日光曝露による光線過敏症(アレルギー性光接触皮膚炎)を引き起こすことがある。

皮膚科領域:スプロフェンなど、整形外科領域:ピロキシカムなど)。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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