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トリプルワーミーに気をつけろ
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約1分28秒で読めます.
10,527 ビュー. カテゴリ:トリプルワーミー
トリプルワーミー(Triple Whammy)、日本語に訳すと「三段攻撃」。
何かと言うと、RAS(レニン-アンジオテンシン系)阻害薬、利尿薬、NSAIDsの3種類の薬剤の併用による三段攻撃のことである。
この3種類の攻撃により、急性腎障害(AKI)のリスクが高まる。
個々の薬剤にも腎障害の副作用があるが、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と利尿剤の併用は利尿剤単独に比べて心不全による入院リスクを2倍に高めることが知られています。
利尿薬による循環血液量の減少、RAS阻害薬による輸出細動脈の収縮抑制、NSAIDsによる輸入細動脈の収縮増大など、異なる機序によって相乗的に腎虚血が起こるためと考えられる。
RAS阻害薬と利尿薬の併用は、プレミネントなどARBと利尿薬の合剤も販売されているように、高血圧患者ではよく見る組み合わせである。
そこに整形外科を受診すれば、必ずといっていいほどNSAIDsが処方されるだろう。簡単にトリプルワーミーは出来上がる。
併用はできるだけ避けるが、併用する場合には腎機能検査(血清クレアチニン値測定)を実施する。
RAS阻害薬同士の併用でも、RAS阻害作用が強く表れて腎性AKI、低血圧、高カリウム(K)血症などが発症する恐れがあり、原則禁忌もあるため特に注意する。
具体的には、ACE阻害薬またはアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)を服用中の糖尿病患者には、レニン阻害薬のアリスキレンフマル酸塩(ラジレス)の投与は原則禁忌である。これはアリスキレンを併用してもACE阻害薬やARBを上回る有益性が認められなかった上、RAS阻害効果が強力に表れて重度AKI(急性腎不全:ARF)、低血圧、低K血症、非致死性脳卒中のリスクが増大するためである。
利尿薬と腎障害
利尿薬は、循環血液量を減少(血管内の血液量の減少)させるため、腎臓の血流量も減少し腎機能が低下する。
補足であるが、脱水のまま利尿薬を使用すると、さらに腎虚血を進める結果となる。
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