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高血圧治療薬の一覧
公開. 更新. 投稿者:高血圧. タグ:薬の一覧. この記事は約4分21秒で読めます.
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高血圧治療薬の一覧
分類 | 分類 | 商品名 | 一般名 | |
---|---|---|---|---|
β遮断薬 | β1選択性(ISA-) | テノーミン | アテノロール | |
メインテート | ビソプロロールフマル酸塩 | |||
ビソノテープ | ビソプロロールフマル酸塩 | |||
ケルロング | ベタキソロール塩酸塩 | |||
ロプレソール/セロケン | メトプロロール酒石酸塩 | |||
β1選択性(ISA+) | アセタノール | アセブトロール塩酸塩 | ||
セレクトール | セリプロロール塩酸塩 | |||
β1非選択性(ISA-) | ハイパジール | ニプラジロール | ||
インデラル | プロプラノロール塩酸塩 | |||
ナディック | ナドロール | |||
β1非選択性(ISA+) | ミケラン | カルテオロール塩酸塩 | ||
カルビスケン | ピンドロール | |||
ブロクリン-L | ピンドロール | |||
αβ遮断薬(ISA-) | ローガン | アモスラロール塩酸塩 | ||
アロチノロール塩酸塩 | アロチノロール塩酸塩 | |||
アーチスト | カルベジロール | |||
カルバン | ベバントロール塩酸塩 | |||
αβ遮断薬(ISA+) | トランデート | ラベタロール塩酸塩 | ||
α遮断薬 | エブランチル | ウラピジル | ||
ハイトラシン/バソメット | テラゾシン塩酸塩水和物 | |||
カルデナリン | ドキサゾシンメシル酸塩 | |||
デタントール | ブナゾシン塩酸塩 | |||
中枢性交感神経抑制薬 | カタプレス | クロニジン塩酸塩 | ||
ワイテンス | グアナベンズ酢酸塩 | |||
アルドメット | メチルドパ水和物 | |||
末梢性交感神経抑制薬 | アポプロン | レセルピン | ||
ベハイドRA | レセルピン+ベンチルヒドロクロロチアジド+カルバゾクロム | |||
Ca拮抗薬 | ジヒドロピリジン系 | 第一世代 | アダラート/セパミット | ニフェジピン |
ペルジピン | ニカルジピン塩酸塩 | |||
第二世代 | ランデル | エホニジピン塩酸塩エタノール付加物 | ||
アテレック | シルニジピン | |||
サプレスタ/ベック | アラニジピン | |||
バイミカード | ニソルジピン | |||
バイロテンシン | ニトレンジピン | |||
ニバジール | ニルバジピン | |||
ヒポカ | バルニジピン塩酸塩 | |||
スプレンジール | フェロジピン | |||
コニール | ベニジピン塩酸塩 | |||
カルスロット | マニジピン塩酸塩 | |||
第三世代 | カルブロック | アゼルニジピン | ||
ノルバスク/アムロジン | アムロジピンベシル酸塩 | |||
Ca拮抗薬+スタチン系薬 | カデュエット | アムロジピンベシル酸塩+アトルバスタチンカルシウム水和物 | ||
ベンゾチアゼピン系 | ヘルベッサー | ジルチアゼム塩酸塩 | ||
フェニルアルキルアミン系 | ワソラン | ベラパミル塩酸塩 | ||
血管拡張薬 | アプレゾリン | ヒドララジン塩酸塩 | ||
RA系阻害薬 | ACE阻害薬 | カプトリル | カプトプリル | |
レニベース | エナラプリルマレイン酸塩 | |||
セタプリル | アラセプリル | |||
アデカット | デラプリル塩酸塩 | |||
インヒベース | シラザプリル水和物 | |||
ロンゲス/ゼストリル | リシノプリル水和物 | |||
チバセン | ベナゼプリル塩酸塩 | |||
タナトリル | イミダプリル塩酸塩 | |||
エースコール | テモカプリル塩酸塩 | |||
コナン | キナプリル塩酸塩 | |||
オドリック/プレラン | トランドラプリル | |||
コバシル | ペリンドプリルエルブミン | |||
ARB | ニューロタン | ロサルタンカリウム | ||
ブロプレス | カンデサルタンシレキセチル | |||
ディオバン | バルサルタン | |||
ミカルディス | テルミサルタン | |||
オルメテック | オルメサルタンメドキソミル | |||
イルベタン/アバプロ | イルベサルタン | |||
アジルバ | アジルサルタン | |||
ARB+利尿剤 | プレミネント | ロサルタンカリウム+ヒドロクロロチアジド | ||
コディオ | バルサルタン+ヒドロクロロチアジド | |||
エカード | カンデサルタンシレキセチル+ヒドロクロロチアジド | |||
ミコンビ | テルミサルタン+ヒドロクロロチアジド | |||
イルトラ | イルベサルタン+トリクロルメチアジド | |||
ARB+Ca拮抗薬 | エックスフォージ | バルサルタン+アムロジピンベシル酸塩 | ||
レザルタス | オルメサルタンメドキソミル+アゼルニジピン | |||
ユニシア | カンデサルタンシレキセチル+アムロジピンベシル酸塩 | |||
ミカムロ | テルミサルタン+アムロジピンベシル酸塩 | |||
アイミクス | イルベサルタン+アムロジピンベシル酸塩 | |||
アテディオ | バルサルタン+シルニジピン | |||
ザクラス | アジルサルタン+アムロジピンベシル酸塩 | |||
ARB+Ca拮抗薬+利尿剤 | ミカトリオ | テルミサルタン+アムロジピンベシル酸塩+ヒドロクロロチアジド | ||
レニン阻害薬 | ラジレス | アリスキレンフマル酸塩 |
高血圧治療薬の分類
降圧薬は、循環血液・心拍出量を減らすもの(利尿薬、β遮断薬)と末梢血管抵抗を減らすもの(Ca拮抗薬、レニン-アンジオテンシン系阻害薬、α遮断薬)の2つのタイプに分けられる。
カルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)
カルシウム拮抗薬(Ca拮抗薬)は、細胞膜上のCa2+チャネルを遮断し、血管壁の細胞と心筋細胞にカルシウムイオンが入るのを抑制して、筋肉の収縮を抑えることで冠動脈を拡張します。
主に、~ジピンというステムをもつジヒドロピリジン系(DHP系)Ca拮抗薬と、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬に分けられる。非DHP系も構造式で分けると、ジルチアゼムがベンゾチアゼピン系で、ベラパミルがフェニルアルキルアミン系と呼ばれる。
DHP系Ca拮抗薬は血管拡張作用(降圧作用)が主体で、ベラパミルやベプリジルは抗不整脈作用が主体、ジルチアゼムは両者の中間である。
DHP系Ca拮抗薬は非DHP系に比べ、心筋収縮力抑制作用および刺激伝導系抑制作用は少ない。
ベプリジルは、Ca2+チャネル遮断の他、K⁺チャネルやNa⁺チャネルの遮断作用をあわせもつ。
Ca拮抗薬はL型Ca2+チャネルを遮断することで降圧作用、抗不整脈作用、抗狭心症作用を示すが、DHP系Ca拮抗薬の一部はT型やN型も遮断する。アゼルニジピンはT型、シルニジピンはN型、ベニジピンはT型、N型を遮断する。
N型、T型カルシウム拮抗薬は血圧降下作用に加えて、糸球体内圧の上昇抑制作用があるので、腎保護作用がある。
また、Ca拮抗薬は血管平滑筋を直接的に弛緩するため降圧効果は強力であるが、避けられないのが反射的な交感神経の活性である。そのため、初期の短時間作用型カルシウム拮抗薬は、冠動脈疾患患者の死亡率を上昇させたが、N型、T型カルシウム拮抗薬は反射性頻脈が生じにくいというメリットもある。
レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RA系阻害薬)
循環血中でアンジオテンシンⅡを産生することで、血圧上昇に働く機構をレニン・アンジオテンシン系(RA系)またはレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAA系)とよぶ。RA系を阻害してアンジオテンシンⅡの産生または作用を抑制する薬物として、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、レニン阻害薬(直接的レニン阻害薬)がある。
【レニン・アンジオテンシン系】
腎臓の傍糸球体細胞から、血中のナトリウム濃度の変化や体液量の減少、交感神経の興奮などの刺激に応じてレニンが分泌
↓
レニンはアンジオテンシノーゲンというタンパク質を分解してアンジオテンシンⅠ(AI)を生成
↓
アンジオテンシンⅠはアンジオテンシン変換酵素(ACE)によってアンジオテンシンⅡ(AⅡ)に変換される
↓
AⅡは血管を収縮させることで血圧を上昇させ、副腎を刺激してアルドステロンの分泌を促す
↓
アルドステロンは腎臓に作用してカリウムを排出させ、ナトリウムを再吸収して血液の水分量を増やす
↓
体液貯留により血圧上昇
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬は、アンジオテンシン変換酵素の活性を阻害し、アンジオテンシンⅡの産生を阻害し、血管の拡張とナトリウム利尿を促進することで、降圧作用、心臓への負荷軽減をもたらす。
RA系におけるアンジオテンシン変換酵素は、カリクレイン・キニン系においてはキニナーゼⅡと呼ばれる物質と同じ酵素である。キニナーゼⅡはブラジキニンを分解して不活化する酵素であり、キニナーゼⅡ阻害によりブラジキニンが増える。ブラジキニンは血管を拡張する物質であり血圧低下の作用も持つが、気道のC線維を刺激しサブスタンスPの遊離を促進するため空咳を起こす。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
アンジオテンシンがアンジオテンシンⅡ受容体を刺激すると血管は収縮して血圧が上昇します。
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)は、アンジオテンシンⅡ受容体に結合してアンジオテンシンの働きを抑制して、血圧降下作用を示します。
アンジオテンシンⅡ受容体には、AT₁受容体とAT₂受容体がある。
AT₁受容体刺激により血管収縮し血圧は上昇するのに対し、AT₂受容体刺激では血管拡張し血圧は低下する。ARBは、AT₁受容体を遮断して降圧作用を示すことに加えて、余剰となったATⅡがAT₂受容体を刺激することでも二次的に降圧作用が発揮される。
レニン阻害薬(直接的レニン阻害薬)
レニンを直接的に阻害してアンジオテンシンⅠおよびアンジオテンシンⅡの産生を抑制する。
長時間作用するという利点があるが、生体利用率が低い(消化管吸収が悪い)、作用の個人差が大きいといった欠点もある。
α遮断薬
α遮断薬は、交感神経の末端の平滑筋側α₁受容体を遮断することで血管を拡張させて血圧を低下させます。交感神経末端側の抑制系α₂受容体は阻害せず、頻脈は少ないといわれています。
「高血圧ガイドライン」では、α遮断薬は高血圧治療の第一選択薬から外れました。
選択的α₁受容体遮断薬は、高血圧治療薬としての使用機会は少ないが、排尿障害治療薬としての有用性は高い薬である。
α₁受容体は、さらに3つのサブタイプ(α1A、α1B、α1D)に細分類される。3つのサブタイプのうち、α1Bは主に血管平滑筋に、α1Aとα1Dは主に泌尿器の平滑筋に発現している。排尿障害の治療には、血圧低下作用は不要であり、起立性低血圧などの副作用を減らすためも、α1A、α1Dに選択性の高い薬が適している。
商品名 | 一般名 | 適応症 | |
高血圧 | 前立腺肥大による排尿障害 | ||
ミニプレス | プラゾシン | 〇 | 〇 |
エブランチル | ウラピジル | 〇 | 〇 |
ハイトラシン/バソメット | テラゾシン | 〇 | 〇 |
カルデナリン | ドキサゾシンメシル酸塩 | 〇 | - |
デタントール | ブナゾシン塩酸塩 | 〇 | - |
ハルナール | タムスロシン | - | 〇 |
フリバス | ナフトピジル | - | 〇 |
ユリーフ | シロドシン | - | 〇 |
β遮断薬
β遮断薬は、心臓のβ₁受容体を遮断して、心拍数、心筋収縮力を抑えて血圧を下げます。心臓の負担を軽減させるので、心臓が必要とする心筋酸素需要を減少させて狭心症の症状を改善します。
β1受容体を遮断すると心機能が抑えられ心臓の仕事量が減少することにより、血液を送り出す量が減り、血管における血液量の減少による血圧低下がおこる。
医薬品名 | 一般名 | 適応症 | ||||
高血圧 | 狭心症 | 不整脈 | 慢性心不全 | |||
テノーミン | アテノロール | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
メインテート | ビソプロロールフマル酸塩錠 | 0.625㎎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
2.5㎎/5㎎ | 〇 | 〇 | 〇 | - | ||
セロケン、ロプレソール | メトプロロール酒石酸塩 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
インデラル | プロプラノロール塩酸塩 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
ナディック | ナドロール | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
ミケラン | カルテオロール塩酸塩 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
カルビスケン | ピンドロール | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
アロチノロール塩酸塩 | アロチノロール塩酸塩 | 〇 | 〇 | 〇 | - | |
アーチスト | カルベジロール | 1.25㎎ | - | - | - | 〇 |
2.5㎎ | - | - | 〇 | 〇 | ||
10㎎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
20㎎ | 〇 | 〇 | 〇 | - |
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