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歯科から処方できるNSAIDs
公開. 更新. 投稿者:痛み/鎮痛薬.この記事は約3分47秒で読めます.
4,414 ビュー. カテゴリ:歯科適応のないNSAIDs?
歯科から痛み止めが処方されることがある。
痛み止めによっては歯科の適応が無いものもあるので注意を要する。
フルカムやバキソなどのオキシカム系のNSAIDsには、以前は抜歯後の鎮痛、消炎という適応がありました。
しかし、現在は削除されてしまったので、歯科でフルカムやバキソが処方されることはありません。
主な痛み止めと歯科の適応(歯痛、抜歯後の鎮痛・消炎)の有無
適応あり:ロキソニン、セレコックス、ボルタレン、ポンタール、カロナール、トラムセット、オパイリン、バファリン、ナイキサン、ニフラン、ソレトン、ペオン
適応なし:フルカム、バキソ、ロルカム、トラマール、ランツジール、スルガム、クリノリル、アルボ、ハイペン、オステラック、モービック、ブルフェン
ブルフェンとか歯痛に適応あってもよさそうですが、無い。
ちなみに市販のイブの効能効果には「歯痛」がある。
歯科から処方される薬は、抗生剤か鎮痛剤、消炎剤と限られており、歯科医は慣れた薬しか処方しないのでこのような適応上の処方ミスをすることは無いと思われるが、知っておく。
歯科からフルカム?
歯科からフルカムが処方されることはない、と思っていましたが、先日歯科からフルカムの処方がきました。
聞いてみると、顎関節症による痛みに使われるらしい。
フルカムの適応症は、
下記疾患並びに症状の鎮痛、消炎
関節リウマチ
変形性関節症
腰痛症
肩関節周囲炎
頸肩腕症候群
顎関節症は変形性関節症の病態も含まれるのかな。
ということで、歯科からフルカムが処方されることもある。
バキソとフルカムはリスクが高い?
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のアンピロキシカム(フルカム)は、ピロキシカム(バキソ)のプロドラッグである。
ピロキシカムは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用により強力な鎮痛・抗炎症作用を示すが、coxの2種類のアイソザイムのうち、炎症時に誘導されて発痛物質の産生にかかわるC0X2のみならず、プロスタグランジンの産生を介して胃粘膜を保護するCOX1も阻害するため、胃腸傷害を起こしやすかった。
アンピロキシカムは、ピロキシカムと効果は同等ながら、プロドラッグ化により胃腸傷害を低減させることを意図して開発された。
1日1回の服用でいいことから、処置後の炎症や術みを抑えるために歯科領域、外科領域で高頻度に処方されていた。
しかし2008年4月、アンピロキシカムの効能・効果から「外傷後、手術後および抜歯後の鎮痛、消炎」が削除された。
添付文書の改訂がなされたのは、欧州医薬品審査庁が05~06年に行った、NSAIDsの安全性調査結果による。
調査は、COX2選択性の高いNSAIDsで心血管合併症の発症リスクが高まるとの報告が相次いだことをきっかけに始まり、従来のCOX2非選択性NSAIDsまで範囲を広げて心血管合併症、胃腸傷害、重篤な皮膚障害のリスクが調査された。
その結果、COX2非選択性NSAIDsでも長期間の使用で心血管合併症のリスクが上昇する可能性があり、特にピロキシカムでは、胃穿孔などの重篤な胃腸傷害、スティーブンス・ジョンソン症候群など重篤な皮膚障害の発症頻度が他のNSAIDsよりも高いことが判明した。
また、ピロキシカムは、1日の総使用量が20mgを超えると消化管障害の発現リスクが高くなり、ピロキシカムによる重篤な皮膚障害の多くは、投与開始から1か月以内に発症していた。
オキシカム系NSAIDs
ロルノキシカム以外は血中半減期が長く、1日1回投与でよい。
反面腎毒性が強く機能低下例には慎重に投与すべきである。
消化性潰瘍、重篤な肝・腎障害、重篤な血液の異常、心機能不全には禁忌である。
メロキシカムはCOX2選択性が高い。
ピロキシカム、アンピロキシカムとリトナビルの併用は禁忌である。
参考書籍:日経DIクイズ
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4 件のコメント
セレコックスは抜歯後疼痛で適応ありませんでしたか?
コメントありがとうございます。
見逃してました。修正します。
歯医者から、フルカムカプセル27mgを朝晩飲むように処方されました。歯から神経を削り取り、薬剤を詰めた後の痛み止めとしてロキソプロフェンの効きがイマイチだった事によります。
最大投与量の2倍でも問題ないでしょうか?
コメントありがとうございます。
薬剤師としては「1日最大27mg(ピロキシカムとして20mg)までの投与とすること。」となっているので、そのような指示の処方が来たら疑義照会します。
苦肉の策だとは思いますが、長期間に及ぶと心配ですね。