2026年2月12日更新.2,748記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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舌に出る副作用?薬と舌苔の意外な関係

舌に出る副作用?薬と舌苔の意外な関係

「最近、舌が白っぽい気がする」
「歯は磨いているのに、口の中がすっきりしない」
「前より口臭が気になるようになった」

そんな変化を感じたことはありませんか?

多くの人は、これを

「疲れているだけ」
「水分が足りないのかな」
「年のせいかも」

と軽く考えてしまいます。

しかし実は、その舌の変化――舌苔(ぜったい)は、服用している「薬」と深く関係していることが少なくありません。

今回は、あまり知られていない
「薬と舌苔の意外な関係」について、わかりやすく解説していきます。

1.舌苔とは何か?―ただの汚れではない

まず、「舌苔」とは何でしょうか。

舌苔とは、舌の表面にたまる白色〜黄色っぽい付着物のことです。

その正体は、
・はがれた粘膜細胞
・細菌
・食べかす
・唾液成分
・タンパク質の残り
などが混ざったものです。

簡単に言えば、
→舌の上にたまった“汚れの集合体”
です。

誰にでも多少はありますが、増えすぎると問題になります。

2.なぜ舌苔は増えるのか?

舌苔が増える原因は、大きく4つあります。

① 唾液の減少(最大の原因)
唾液には、口の中を洗い流す「自浄作用」があります。

しかし唾液が減ると、

汚れが流れない

細菌が増える

舌苔がたまる

という悪循環に陥ります。

② 口腔ケア不足
歯は磨いていても、舌は放置している人がほとんどです。

舌の表面はデコボコしており、汚れが残りやすい構造になっています。

③ 体調不良・胃腸の乱れ
風邪、疲労、食欲不振、胃もたれなどがあると、舌苔は増えやすくなります。

昔から「舌は内臓の鏡」と言われる理由です。

④ 薬の影響(意外と多い)
そして今回のテーマである、
→薬の影響
です。

実は、多くの薬が「間接的に」舌苔を増やしています。

3.薬はどうやって舌苔を増やすのか?

「薬と舌苔って、関係あるの?」

と思う方も多いでしょう。

しかし、薬は次の3つの経路で舌に影響します。

(1)口を乾かす作用
最も重要なのがこれです。

多くの薬には、
→「口渇(こうかつ)」=口が渇く副作用
があります。

代表例:
・抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)
・抗うつ薬
・抗不安薬
・睡眠薬
・抗パーキンソン薬
・一部の降圧薬
・利尿薬 など

これらは、

唾液分泌を抑える

口が乾く

舌苔が増える

という流れを作ります。

本人は「薬の副作用」と気づかず、
「最近、口の中がネバネバするな…」
程度で済ませてしまいがちです。

(2)免疫バランスへの影響
一部の薬は、体の免疫機能を弱めます。

例:
・抗がん薬
・免疫抑制薬
・ステロイド

免疫が弱ると、口の中の細菌やカビが増えやすくなります。

その結果、
→厚い舌苔や口腔カンジダ症
が起こることがあります。

(3)意識・筋力への影響
次のような薬も関係します。
・睡眠薬
・鎮痛薬(オピオイドなど)
・向精神薬

これらは、
・眠気
・筋力低下
・反射低下
を引き起こします。

すると、

飲み込む力が低下

唾液がたまる

細菌が増える

舌苔増加

につながります。

特に高齢者では重要な問題です。

4.「舌が汚れるだけ」では済まない理由

舌苔の問題は、見た目だけではありません。

実は、放置するとさまざまなトラブルにつながります。

① 口臭の最大原因になる
口臭の主な原因は、舌苔です。

舌苔内の細菌が、タンパク質を分解すると、

→硫黄ガス(臭いの元)

が発生します。

「歯はきれいなのに臭う人」の多くは、舌苔が原因です。

② 味覚低下を起こす
舌の表面には味蕾(みらい)があります。

舌苔が厚くなると、

味蕾が覆われる

味を感じにくくなる

という状態になります。

「最近、味が薄く感じる」という人は要注意です。

③ 誤嚥性肺炎のリスクになる
特に高齢者では重要です。

舌苔は「細菌の塊」です。

これが、

寝ている間
食事中
無意識の誤嚥

で肺に入ると、
誤嚥性肺炎
を引き起こします。

実際、口腔ケアで肺炎が減ることは、多くの研究で示されています。

5.こんな人は「薬×舌苔」に要注意

次に当てはまる人は、特に注意が必要です。

・薬を3種類以上飲んでいる
・口が渇きやすい
・水をあまり飲まない
・よくむせる
・高齢者
・寝る前に睡眠薬を飲んでいる
・入れ歯を使っている

これらはすべて、舌苔リスクを高めます。

6.正しい舌苔ケアの方法

「じゃあ、毎日ゴシゴシ磨けばいい?」

――それは間違いです。

やりすぎは逆効果になります。

基本ルール
✔ 1日1回で十分
✔ 朝がおすすめ
✔ 軽くなでる
✔ 奥までやらない

方法
① 舌ブラシ or 柔らかい歯ブラシを用意
② 奥→手前に2〜3回なでる
③ うがい

これだけで十分です。

NG行動
❌ 強くこする
❌ 出血するまで磨く
❌ 1日何回もやる

→ 舌が傷つき、逆に舌苔が増えます。

7.薬剤師・医療者が見るべき「舌」

医療の現場では、舌は意外と見られていません。

しかし、舌を見るだけで、
・脱水
・服薬影響
・栄養状態
・免疫低下
がわかることもあります。

実は舌は、
「体調の掲示板」
のような存在です。

服薬指導の際に、
「口の中、乾いていませんか?」
「舌、白くなっていませんか?」

と聞くだけでも、重大な副作用の早期発見につながります。

8.患者さんへの伝え方のコツ

舌苔の話は、伝え方を間違えると不安を与えます。

おすすめは、こんな言い方です。

「このお薬は口が乾きやすいので、舌が白くなったら教えてくださいね」

「気づいたら、軽く掃除すれば大丈夫ですよ」

「怖い話」ではなく、「気づけば防げる話」にすることが大切です。

9.まとめ:舌は“薬の影響を映す鏡”

舌苔と薬の関係をまとめると

✔ 多くの薬が口を乾かす
✔ 乾燥で舌苔が増える
✔ 舌苔は口臭・肺炎・味覚低下の原因
✔ 正しいケアで防げる
✔ 舌は副作用の早期サインになる

ということになります。

おわりに:その舌は、体からのメッセージかもしれない

私たちは、体の不調を「痛み」や「検査値」で判断しがちです。

でも実は、

→舌は、とても正直に体調を語ってくれます。

薬の影響も、真っ先に舌に出ることがあります。

もし最近、

「舌が変だな」
「口の中が気になるな」

と思ったら、それは偶然ではないかもしれません。

ほんの少し気にしてあげるだけで、健康は大きく変わります。

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生息地:雪国
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