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薬剤師の栄養指導
公開. 更新. 投稿者:栄養/口腔ケア.この記事は約2分25秒で読めます.
2,317 ビュー. カテゴリ:病態別の栄養指導
栄養指導は薬剤師の仕事ではない。栄養士の仕事である。
かも知れないが、実際服薬指導で食事内容や栄養バランスについて聞かれることもある。
薬による嘔吐や便秘などの消化器症状、嚥下困難などによって、食欲不振、食欲低下などの副作用が引き起こされているケースもあり、「食事は摂れてますか?」といった聞き取りは重要である。
聞かれた際に困らないよう、病態別に大まかな栄養指導のポイントは押さえておく必要がある。
糖尿病
・3食同じ時間に食事が取れているかを確認する。
→血糖値をコントロールする上で重要なポイントになる
・食事内容を確認する
→3食とも主食・主菜・副菜が揃っているか(外食時も同様)
→糖質に偏りがちの患者が多いため、肉・魚・卵などのたんぱく質を多く含む食品を摂取するように勧める。卵であれば、ゆで卵や卵焼きなど簡単なもので良いので摂取するよう提案する。
→ジュースやデザートなど、食事以外で摂っている糖質についても確認し、必要に応じて摂取量を見直す。
高血圧
・漬物や汁物の頻度を聞き取る
→全くなしにするのではなく医師からの指示量をみながら、1日に1回にするなど頻度を減らす提案をする。
・ちくわやソーセージなどの加工食品や練り製品も高塩分のため摂取量を確認する。
腎臓病
・たんぱく質・カリウム・塩分制限の確認をする
→肉・魚・卵を食べ過ぎていないか(腎臓病のステージに合わせた1日のたんぱく質摂取量:標準体重kg×0.6~1.0=〇gを目安)
→たんぱく質が多い食品は1食に1種類のみにする。
→生野菜・果物・ジュースはカリウムを含む物が多いため、制限がある場合は摂取を控える。その他、じゃがいもやさつまいもなどもカリウム値が高いため、既製品のコロッケやポテトサラダなどの摂取量にも注意する。
低栄養
・たんぱく質の積極的な摂取を勧める
→乳製品・肉・魚・卵などを積極的に摂るよう勧める。取り入れやすい食品例として、既製品であればシューマイやギョーザ、魚の缶詰など。
→制限がない場合は、あまり塩分量は厳しくせずに、栄養を摂ってもらうことを重視し、食欲低下を防ぐ。
・食欲が低下している際は補助食品を活用する
→プロテインパウダーはたんぱく質・カルシウム・亜鉛を補給できる商品もある。ただし薬剤と一緒に摂取すると、カルシウム・鉄・亜鉛が過剰になることもあるため飲み合わせに注意し、摂取量・回数についても確認する。
・エネルギー摂取ができる調理工夫をする
→炒め物にバターを追加したり、おかゆにごま油を足すと風味とエネルギー量がアップする。
・便秘をしていないかを確認する
→便秘は食欲低下の原因になりうる。食事や水分摂取量を確認し、必要に応じて食事にオリーブオイルなどの脂質の追加や発酵食品を勧める。
認知症
・コミュニケーショに十分配慮する
→比較的穏やかな患者さんへは、積極的に声がけをしてコミュニケーションを取る。
・食欲を確認する
→会話の中で、食べたいものや食に対する意識をひきだし、確認する。
・食事に集中できる環境を考える
→アルツハイマー型の場合、集中力が途切れて食べるのをやめてしまい、低栄養に繋がることがある。ただし、突然環境を変えることは患者さんを混乱させる恐れがあるので配慮が必要。
・指導内容に関しては、介護者と密に情報共有する
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