2025年4月23日更新.2,493記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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不眠症に使える降圧薬

カタプレスと不眠症

カタプレス(一般名:クロニジン塩酸塩)という薬がある。
降圧薬である。薬効分類はα2受容体刺激薬。
同じカテゴリーには、アルドメット(メチルドパ)やワイテンス(グアナベンズ酢酸塩)がある。

商品名一般名適応症
カタプレスクロニジン塩酸塩各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症)
ワイテンスグアナベンズ酢酸塩本態性高血圧症
アルドメットメチルドパ水和物高血圧症(本態性)、高血圧症(腎性等)、悪性高血圧

このカタプレスが不眠症に使われるという。

注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬のインチュニブ(グアンファシン塩酸塩)も選択的α2Aアドレナリン受容体作動薬で、α2受容体に作用する。
クロニジンはアメリカではADHD治療薬としても使われている。

プレセデックス(デクスメデトミジン)という、集中治療や手術、検査などの際に使用される鎮静薬もα2受容体作動薬である。

また、緑内障治療薬アイファガン(ブリモニジン酒石酸塩)も、α2受容体刺激薬である。
アイファガンはα2選択性が高く、BBB(血液脳関門)を殆ど通過しないが、「精神神経系 0.1~5%未満 浮動性めまい、回転性めまい、頭痛、耳鳴、傾眠」と、めまいや眠気などの精神系の副作用が記載されている。

ここでα2アドレナリン受容体の働きについて。
α1受容体は、主として血管平滑筋に存在し、血管の収縮に関与している。α2受容体は、主に交感神経終末に存在し、ノルアドレナリンの過剰遊離を抑制するネガティブフィードバックをかける自己受容体である。
つまり、α2受容体刺激によって、交感神経の働きが抑えられ、血圧降下や鎮静作用を発揮する。

逆に、α2受容体を遮断する働きのあるテトラミド(ミアンセリン)やレメロン/リフレックス(ミルタザピン)などはノルアドレナリンの放出を促進するので抗うつ薬として用いられている。

カタプレスの適応症は「各種高血圧症(本態性高血圧症、腎性高血圧症)」となっており、不眠症に対する適応は無い。
副作用として「眠気、鎮静作用」があり、この副作用を利用して不眠症に使われる。

薬剤師

薬剤師の人たちって、どうやって勉強してるんだろう…

先生

勉強法はいろいろあるが、タイムリーな話題や興味深いコンテンツを提供しているエムスリードットコムはおすすめじゃな

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