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Ca拮抗薬で夜間頻尿になる?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約2分45秒で読めます.
395 ビュー. カテゴリ:Ca拮抗薬で夜間頻尿になる?
Ca拮抗薬が夜間頻尿を引き起こすことがあるという。
「高齢者高血圧診療ガイドライン2017」には、「高齢者高血圧に対する降圧薬治療は,高齢者
の夜間頻尿・尿失禁に影響を与えるか?」という問いに対して、
●ループ利尿薬やCa拮抗薬は,夜間頻尿を増悪させる可能性があるので注意する.(推奨グレードB)
●サイアザイド系利尿薬は,併用の場合を含めて夜間頻尿を増悪させる可能性は低い.
という記載がある。
添付文書上では、アダラート(ニフェジピン)の副作用の0.1〜5%未満に「頻尿」、アムロジン(アムロジピン)やコニール(ベニジピン)の副作用の0.1%未満「頻尿」とある。
Ca拮抗薬には塩分を排出する働きが無いので、日中にナトリウムを十分に排出するまで血圧が上がりきらず、かえって夜間に塩分を排泄するため、夜間多尿・頻尿が増加するということらしい。
基本的に降圧薬は腎血流量を増やして尿量を増やす。Ca拮抗薬だけでなく、ARBでもその傾向は強い。
そういわれると、自分も降圧剤を飲み始めてから頻尿傾向が強まったと感じる。そこらへんは老化現象か否かわからない個人の感想ではある。
でもさあ、過活動膀胱に使われるバップフォー(プロピベリン塩酸塩)の作用機序に、抗コリン作用だけじゃなくて、カルシウム拮抗作用てゆうのもあるじゃん。
バップフォーのインタビューフォームの作用機序には以下のように書かれている。
摘出膀胱においてアセチルコリン及び塩化カリウム収縮を抑制し、ムスカリン受容体への結合親和性を有し、アトロピンで抑制されない経壁電気刺激収縮の抑制作用を示す。また、骨盤神経の切断末梢端刺激による膀胱収縮が抑制されることより、本剤の作用は膀胱平滑筋側にあることが示唆される。一方、主代謝物M-1はカルシウム拮抗作用を、M-2は抗コリン作用を有する。本剤は抗コリン作用及びカルシウム拮抗作用を有し、排尿運動抑制作用を示すと推定される。

まあ、バップフォーに血圧を下げる働きは無いわけで、働く場所が違うんだろうな、ということで自分を納得させる。
とにかく、Ca拮抗薬の服用で夜間頻尿が気になるという患者には、長期作用型のCa拮抗薬だとしても夜の服用は夜間に効果のピークを迎えるので朝の服用に変えてみるとか、サイアザイド系利尿剤を用いて日中の排尿を増やすなどの対策が良きと思われる。

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