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ループ利尿薬はチアジド系より強い?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約2分19秒で読めます.
3,817 ビュー. カテゴリ:ループ利尿薬とチアジド系利尿薬の違い
ループ利尿薬はチアジド系利尿薬よりも強いって言っていいの?
チアジド系よりもループ利尿薬のほうが強い、というのは利尿作用の話。
降圧作用はチアジド系のほうが強い。
ループ系利尿薬は「体液を減らす薬」で、主に浮腫や心不全の治療に用いられます。
速効性で利尿作用が強いことが特徴で、急性効果として頻尿が起こります。
トイレの頻度が増えるといった「利尿薬」=「頻尿」のイメージがあてはまるのは、このループ系です。
一方、チアジド系利尿薬は、「身体から食塩を出す薬」で、主に高血圧の治療に使用され、持続性で利尿作用が弱いのが特徴です。
チアジド系利尿薬は利尿作用がメインのループ系に比べて、降圧作用が強い、作用時間が長い、副作用が出にくい、などのメリットがある。
うっ血性心不全の急性期のように著明な体液貯留が存在する場合には、ループ利尿薬が第一選択となる。
ループ利尿薬の中で、高血圧に適応があるのはラシックスだけで、ルプラックやダイアートには高血圧の適応は無い。
利尿効果が強力なため、脱水や低カリウム血症に注意を要する。
腎機能低下例でも有効である。
サイアザイド系利尿薬は、主に降圧効果を期待して使用される。
低カリウム血症の副作用に注意しながら、少量投与する。
心不全でも慢性期で、腎機能正常例では体液/ナトリウムバランスを負に維持するうえで有用である。
サイアザイド系利尿薬は、安価で有効性の高い降圧薬として世界中で広く使われており、米国やヨーロッパでは高血圧治療の第一選択薬とされているが、わが国では併用薬として使用されることが多い。
ループ利尿薬
フロセミドとトリパミドは、腎ネフロンのヘンレのループ上行脚の太い部分にあるNa+-K+-2Cl-共輸送体の作用を阻害し、Na+とcl-の再吸収を抑制し、循環血液量を減らして利尿作用を現します。
ヘンレのループに作用することから「ループ利尿薬」と呼ばれ、チアジド系利尿薬に比して利尿作用は強いです。
利尿薬が血圧を下げる?
腎臓の尿細管において、ナトリウムと水の再吸収を抑制して、循環血流量を減らし降圧する。
ただし初期には循環血流量は減少するが、慢性期には回復し末梢血管抵抗の低下によって降圧すると考えられている。
利尿薬には、サイアザイド系利尿薬、サイアザイド類似薬(サイアザイド系利尿薬と構造が異なるが類似した作用を有する)、ループ利尿薬、カリウム保持性利尿薬などが含まれる。
一般的に高血圧治療で「利尿薬」とされるのは、サイアザイド系利尿薬である。
歴史ある薬剤で、エビデンスも豊富であり薬価も安い。
ただし利尿薬のみで降圧使用とすると用量が多くなり、代謝や電解質異常の副作用の頻度が上昇する。
利尿薬は、少量で併用薬として用いると最も効果が発揮される。
降圧配合剤中の利尿薬の用量は、降圧効果が最も得られ、かつ副作用の少ない用量に設定された。
ループ利尿薬には、強力な利尿効果があるが、降圧効果はサイアザイド系利尿薬より弱い。
腎機能正常の際は、尿細管から速やかに分泌されるためその作用は長くないが、腎機能が低下した際は作用時問が延長する。
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