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好酸球はいらない?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約1分12秒で読めます.
2,351 ビュー. カテゴリ:好酸球
好酸球の役割って?
喘息に使われる生物学的製剤、ヒト化抗IL-5受容体αモノクローナル抗体製剤のファセンラ皮下注を院内で注射しているという患者の検査値を見せてもらったら、好酸球が0%になっていた。
良いのだろうか?
そもそも好酸球の正常値を知らない。
まず白血球は好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球に分類されます。
白血球 | 割合 | 機能 |
---|---|---|
好中球 | 40.0-74.0% | 好中球は核の形によって杆状好中球と分葉核球に分類されます。 |
リンパ球 | 18.0-59.0% | 免疫機能に関わっています。ウイルス感染などで増加します。 |
単球 | 0.0-8.0% | 免疫系・炎症系に作用します。結核など感染症で増加します。 |
好酸球 | 0.0-6.0% | アレルギー反応に関わっています。花粉症や喘息、寄生虫症などで増加します。 |
好塩基球 | 0.0-2.0% | アレルギー反応に関わっています。 |
白血球数の正常範囲が、1マイクロリットル当たり4000~11,000個なので、好酸球の正常値は0~(240~660)個くらい。
好酸球増多症はありますが、減少症は聞いたことがない。
好酸球は無くてもいいのか?害を及ぼすだけなのか?
ファセンラの作用機序は以下のように書かれている。
①好酸球を攻撃するNK細胞を引き寄せ、好酸球を直接除去します。
②好酸球が除去されると、気道の炎症が軽減されます。
③気道炎症が軽減すると、呼吸が楽になり、喘息増悪のリスクも低減します。
「好酸球を除去」するらしいので、0%になっても不思議ではない。
白血球のうち、好酸球や好塩基球はアレルギー反応に関わっており、ウイルスや細菌などの感染症にはあまり影響しないものかと思いますが、ファセンラの添付文書の副作用には、
感染症
0.1%以上1%未満
咽頭炎(咽頭炎、細菌性咽頭炎、ウイルス性咽頭炎、及びレンサ球菌性咽頭炎)
と、記載されており、感染症を増やしている。
アレルギー反応による鼻水やくしゃみといった異物除去は、ウイルスや細菌による感染も防いでいるといえるのかも知れない。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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