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手術前に抜歯?
公開. 更新. 投稿者:服薬指導/薬歴/検査.この記事は約1分5秒で読めます.
2,757 ビュー. カテゴリ:手術前に抜歯する意味
患者さんでたまに「今度手術をするので抜歯してきた」という話を聞くことがあって、「あーそうなんですね」と言いつつ、なぜ手術前に抜歯するのかわからなかった。
「大きい手術をすることになれば、歯医者に行く時間も取れなくなるからかなあ」とか、適当なことを考えていた。
手術前に抜歯をする理由の1つとして、グラグラの歯が存在していると気管内挿管時に脱落する危険性があるため。
全身麻酔で手術を行う場合、人工呼吸を行うために、口からのどを通して気管の中に管を挿入します。これを気管内挿管といいます。
歯がグラグラしていなくても、気管内挿管時に前歯が折れることはあるようだ。手術で歯が折れる、という連想はあまり無かった。
また別の理由として、口腔内に細菌が多いと、心臓外科手術などで感染性心内膜炎のリスクが高まるということが挙げられる。
感染性心内膜炎は、心臓が細菌感染して炎症が起きている状態です。
細菌の侵入経路の多くは口からとされており、虫歯や歯周病を放置したり、口腔内が汚れていると細菌が繁殖し、感染性心内膜炎の発症リスクが高まります。
感染源となりうる歯の抜歯をおこなうことで、口腔内の細菌を減らし、細菌が繁殖しにくい環境に整えていきます。
手術前に歯科からの処方箋を持参し、「抜歯してきた」という患者がいたら、グラグラしている歯があるのか、虫歯があったのか、抜歯目的をどのように聞いているのか確認してみるのもいいかも知れません。
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