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カリウム値5.0mEq/Lを超えたら危険?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約2分49秒で読めます.
11,320 ビュー. カテゴリ:カリウム値の基準
カリウム値がどのくらいになったら危険?
薬剤師のみなさんカリウム値チェックしているでしょうか?
最近は処方せんに検査値が記載されてくる医療機関も増えているので、カリウム値が載っていることも多いです。
添付文書上、高カリウム血症や低カリウム血症に注意すべき薬は多いですが、「血清カリウム値に注意すること」という記載のみのものが多い。
具体的な数値が記載されている薬として、セララと新薬のミネブロがあります。
禁忌に以下のように記載されている。
高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
また、使用上の注意には以下のように記載されている。
本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/Lを超えた場合は減量ないし中止し、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
飲み始めには、5.0mEq/Lを超えていないか確認する必要があり、服用中にも5.0mEq/Lを超えていれば減量を考慮する必要があるので、5.0mEq/Lという数値が一つの基準となるかと思います。
血液中のカリウム濃度の正常範囲は3.5〜5.0mEq/Lですが、5.5mEq/L以上になると高カリウム血症、3.5mEq/L以下になると低カリウム血症と診断されます。
カリウム値が7〜8mEq/Lを超えると突然心臓の機能に異常が出るなどの危険性が生じます。
血圧の高い人で、減塩食品を多量に摂取している患者が高カリウム血症になるという話もあります。
カリウム値が高めの患者さんには要注意です。
心不全と高カリウム血症
腎機能が低下して血清中にカリウムが増えると高カリウム血症(血清K濃度5mEq/L以上)になり、心臓に負担をかけます。
高カリウム血症の症状には、口唇のしびれ、脈の乱れ、悪心、嘔吐、胸の苦しさなどがあり、血清7mEq/L以上になると心臓の調律障害を起こし、心室収縮不全または心室細動に至ります。
心不全患者は慢性腎臓病(CKD)を合併していることが多く、カリウム値が高くなりやすく、β遮断薬やACE阻害薬などカリウム値上昇を来す薬の使用が多い。
左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者においては、RAA系阻害薬の使用でカリウム値が5.5mEq/L程度の高値になった場合、ロケルマなどのなどのカリウム吸着薬を併用しながら継続または増量されることもある。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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