2024年12月18日更新.2,481記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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処方日数変更してもらいたい薬

医薬品のパッケージと処方日数

医師が処方日数を考えるときに、医薬品のパッケージ、1箱何錠入っていて何日分とか、なるべく使い切るように処方するとかは考えない。
それが医薬分業のメリットであるともいえる。

患者にとって必要な分、必要な日数だけ処方するのである。

しかし、薬局にとっては大きな痛手となる場合がある。

オーグメンチンの処方日数

オーグメンチンというペニシリン系の抗菌薬があります。

この薬のやっかいなところは、「アルミ袋開封後、1ヵ月以内に使用すること。」となっている点です。1箱30錠ですが、6錠ごとにアルミ袋に入っています。

開封しても次の処方がすぐに来れば使い切れますが、処方頻度としては少ないので、残った薬はそのまま廃棄することが多い。

オーグメンチン配合錠250RSの場合は1錠45.7円(2020年6月現在)なので、ダメージとしては少ないので、医師の処方をそのまま受け入れます。1日3回5日分の処方を「6日分にしてもらえますか?4日分ではダメですか?」などという疑義照会などできるわけがない。

ハーボニーの処方日数

C型肝炎治療薬ハーボニーは1箱14錠である。

1日1回1錠なので、14日分である。

トータルで12週間飲むことになるので、84錠飲む形である。

しかし、途中で離脱する可能性もある。副作用などで服薬を継続できなくなるといったパターンである。

ハーボニーは1錠55491.7円(2020年6月現在)なので、オーグメンチンのように黙っているわけにはいかない値段である。

1回で14日分あるいは28日分以外の日数が来れば、疑義照会の対象である。処方日数変更に応じられなければ、正直言って調剤拒否してよいレベルだと思う。

ネオキシテープの処方日数

ネオキシテープは以前1袋1枚入りだったものが、2018年12月に1袋7枚入りが発売され、現行品は1袋7枚入りのみとなっている。

添付文書上「開封後はチャックを閉め密封して保管し、開封日より14日を超えたものは使用しないこと。」となっているので、半端な薬はほぼ廃棄決定である。

湿布とかで1袋7枚入りはわかるが、このような薬で1枚ずつ入れていない薬は見たことがない。以前の1袋1枚入りに戻してもらいたいものである。

1枚180.4円(2020年6月現在)とそこそこの薬価なので、30日分処方に対して28日分にしてもらえないかと疑義照会したいところだが…MRなどを介して相談してみるのが良さそうである。

パルミコート吸入液の処方日数

パルミコート吸入液の保管について、添付文書上「アルミ袋開封後、2ヵ月以内に使用すること。未使用のアンプルは、光を避けるため、必ずアルミ袋に保管すること。また、凍結を避けて保存すること。」と記載されている。

包装単位が30アンプル(アルミピロー包装1袋5アンプル入り×6袋)なので、5本の倍数での処方単位数でないと廃棄する可能性が高い。

パルミコート吸入液0.25mg2mLが1本174.6円、パルミコート吸入液0.5mg2mLが1本234円とそこそこの値段。これもハンパ処方が多ければMRに相談してみよう。

包装単位とデッドストック

冒頭で説明したように、医師の決めた処方日数に口出しすることは望ましくない。

また、上記の薬でなくても、100錠とか100gとかの包装単位で処方されることはほぼ無いので、使い残しはデッドストックになるリスクは孕んでいる。

ハーボニーのように経営を揺るがすような薬価の薬については、強めに希望を伝えるが、そこまで高くない薬価であれば、薬局が泣きを見ても仕方がないのだろう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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