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処方日数変更してもらいたい薬
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約3分39秒で読めます.
3,803 ビュー. カテゴリ:医薬品のパッケージと処方日数
医師が処方日数を考えるときに、医薬品のパッケージ、1箱何錠入っていて何日分とか、なるべく使い切るように処方するとかは考えない。
それが医薬分業のメリットであるともいえる。
患者にとって必要な分、必要な日数だけ処方するのである。
しかし、薬局にとっては大きな痛手となる場合がある。
オーグメンチンの処方日数
オーグメンチンというペニシリン系の抗菌薬があります。
この薬のやっかいなところは、「アルミ袋開封後、1ヵ月以内に使用すること。」となっている点です。1箱30錠ですが、6錠ごとにアルミ袋に入っています。
開封しても次の処方がすぐに来れば使い切れますが、処方頻度としては少ないので、残った薬はそのまま廃棄することが多い。
オーグメンチン配合錠250RSの場合は1錠45.7円(2020年6月現在)なので、ダメージとしては少ないので、医師の処方をそのまま受け入れます。1日3回5日分の処方を「6日分にしてもらえますか?4日分ではダメですか?」などという疑義照会などできるわけがない。
ハーボニーの処方日数
C型肝炎治療薬ハーボニーは1箱14錠である。
1日1回1錠なので、14日分である。
トータルで12週間飲むことになるので、84錠飲む形である。
しかし、途中で離脱する可能性もある。副作用などで服薬を継続できなくなるといったパターンである。
ハーボニーは1錠55491.7円(2020年6月現在)なので、オーグメンチンのように黙っているわけにはいかない値段である。
1回で14日分あるいは28日分以外の日数が来れば、疑義照会の対象である。処方日数変更に応じられなければ、正直言って調剤拒否してよいレベルだと思う。
ネオキシテープの処方日数
ネオキシテープは以前1袋1枚入りだったものが、2018年12月に1袋7枚入りが発売され、現行品は1袋7枚入りのみとなっている。
添付文書上「開封後はチャックを閉め密封して保管し、開封日より14日を超えたものは使用しないこと。」となっているので、半端な薬はほぼ廃棄決定である。
湿布とかで1袋7枚入りはわかるが、このような薬で1枚ずつ入れていない薬は見たことがない。以前の1袋1枚入りに戻してもらいたいものである。
1枚180.4円(2020年6月現在)とそこそこの薬価なので、30日分処方に対して28日分にしてもらえないかと疑義照会したいところだが…MRなどを介して相談してみるのが良さそうである。
パルミコート吸入液の処方日数
パルミコート吸入液の保管について、添付文書上「アルミ袋開封後、2ヵ月以内に使用すること。未使用のアンプルは、光を避けるため、必ずアルミ袋に保管すること。また、凍結を避けて保存すること。」と記載されている。
包装単位が30アンプル(アルミピロー包装1袋5アンプル入り×6袋)なので、5本の倍数での処方単位数でないと廃棄する可能性が高い。
パルミコート吸入液0.25mg2mLが1本174.6円、パルミコート吸入液0.5mg2mLが1本234円とそこそこの値段。これもハンパ処方が多ければMRに相談してみよう。
包装単位とデッドストック
冒頭で説明したように、医師の決めた処方日数に口出しすることは望ましくない。
また、上記の薬でなくても、100錠とか100gとかの包装単位で処方されることはほぼ無いので、使い残しはデッドストックになるリスクは孕んでいる。
ハーボニーのように経営を揺るがすような薬価の薬については、強めに希望を伝えるが、そこまで高くない薬価であれば、薬局が泣きを見ても仕方がないのだろう。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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