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併用禁忌薬を服用できるまでの時間
公開. 更新. 投稿者:相互作用/薬物動態.この記事は約1分55秒で読めます.
6,319 ビュー. カテゴリ:併用禁忌と投与間隔
併用禁忌の薬が同時に処方されていたら疑義照会を行う。いっしょに飲んではいけない。
併用禁忌の薬が、片方は朝食後、片方は夕食後、であってもダメだ。
では「昨日まで飲んでいた」だったらどうだろう?「先週まで飲んでいた」だったらどうだろう?
例えば、皮膚科でイトリゾールのパルス療法を受けていた患者患者が、その後不眠の症状を訴えて心療内科からハルシオンの処方がされた場合に、いつから服用開始できるのかといった問題は、皮膚科でイトリゾールのパルス療法を受けていた患者患者が、その後不眠の症状を訴えて心療内科からハルシオンの処方がされた場合に、いつから服用開始できるのかといった問題に正確な時間を答えるのは難しい。
個別の医薬品で調べて応じていくことになるが、飲み終わったという薬の相互作用にも気を配る必要がある。
ただ、添付文書上、併用禁忌の薬剤との併用間隔時間が明記されている薬がある。
併用禁忌 | 併用間隔 |
---|---|
MAO阻害薬↔MAO阻害薬(エフピー、アジレスト、エクフィナ) | 少なくとも14日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔トラマドール・タペンタドール(トラマール、ワントラム、ツートラム、トラムセット、タペンタ) | (MAO阻害薬→トラマドール、タペンタドール)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 (トラマドール→MAO阻害薬)2〜3日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔三環系抗うつ薬(アナフラニール、ノリトレン、トリプタノール、イミドール、トフラニール) | (MAO阻害薬→三環系抗うつ薬)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 (三環系抗うつ薬→MAO阻害薬)2〜3日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔四環系抗うつ薬(テシプール、テトラミド、ルジオミール) | (MAO阻害薬→四環系抗うつ薬)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 (四環系抗うつ薬→MAO阻害薬)2〜3日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔選択的セロトニン再取り込み阻害薬(ジェイゾロフト、パキシル、ルボックス/デプロメール、レクサプロ) | (MAO阻害薬→選択的セロトニン再取り込み阻害薬)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 (選択的セロトニン再取り込み阻害薬→MAO阻害薬)2〜3日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬(トリンテリックス) | 少なくとも14日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(トレドミン、サインバルタ、イフェクサー) | (MAO阻害薬→セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 (ミルナシプラン塩酸塩→MAO阻害薬)2〜3日間の間隔を置くこと。 (デュロキセチン→MAO阻害薬)少なくとも5日間の間隔を置くこと。 (ベンラファキシン塩酸塩→MAO阻害薬)少なくとも7日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ストラテラ) | 少なくとも14日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬(リフレックス、レメロン) | 少なくとも14日間の間隔を置くこと。 |
MAO阻害薬↔中枢神経刺激剤(ビバンセ、コンサータ/リタリン、ヒロポン、サノレックス、フィンテプラ) | (MAO阻害薬→中枢神経刺激剤)少なくとも14日間の間隔を置くこと。 |
サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物↔ACE阻害薬(エースコール、タナトリル、レニベース、コバシル、カプトリル、セタプリル、アデカット、オドリック、チバセン) | 少なくとも36時間前に中止すること。 |
トリプタン系薬↔エルゴタミン製剤(クリアミン) | 24時間以上の間隔をあけて投与すること。 |
トリプタン系薬↔トリプタン系薬(イミグラン、ゾーミッグ、レルパックス、マクサルト、アマージ) | 24時間以内に投与しないこと。 |
MAO阻害薬↔トリプタン系薬 | (MAO阻害薬→トリプタン系薬)投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。 |
MAO阻害薬↔テトラベナジン(コレアジン) | (MAO阻害薬→テトラベナジン)少なくとも2週間の間隔をおくこと。 |
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤↔フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤(ゼローダ、フルツロン) | (ティーエスワン→フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤)少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。 |
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤↔フッ化ピリミジン系抗真菌剤(アンコチル) | (ティーエスワン→フッ化ピリミジン系抗真菌剤)少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと。 |
これらの薬については、はっきりとした時間を伝えられる。
特に同効薬への変更(トリプタンからエルゴタミン、エフピーからアジレクト、イミダプリルからエンレスト)は、処方される可能性があるので注意する必要がある。