記事
フロリネフが起立性低血圧に効く?
公開. 更新. 投稿者:高血圧.この記事は約2分24秒で読めます.
11,785 ビュー. カテゴリ:低血圧にフロリネフ?
低血圧の治療というのは、高血圧の治療に比べてあまり行われない。
めまいを伴うような起立性低血圧や不登校児の起立性低血圧などで、昇圧薬の処方を見ることがあるが、長期に処方されることは少ない。
起立性低血圧の治療に用いられる薬としては、リズミック(アメジニウム)やメトリジン(ミドドリン)のような血管収縮薬が主である。
その他適応外として、
フロリネフ(フルドロコルチゾン)
メスチノン(臭化ピリドスチグミン)
メトプロロールなどのβアドレナリン遮断薬(βブロッカー)
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 (SNRI)
リタリン(メチルフェニデート)
ベンゾジアゼピン系薬物
などが使われることもある。
フロリネフは薬価が高い。 1錠300円以上します。
よく使われるステロイドのプレドニゾロンなどは、グルココルチコイド(糖質コルチコイド)ですが、フロリネフはミネラルコルチコイド(鉱質コルチコイド)です。
体内にある鉱質コルチコイドはアルドステロン。
フロリネフの効能効果は、「塩喪失型先天性副腎皮質過形成症、塩喪失型慢性副腎皮質機能不全(アジソン病)」
フロリネフのステロイドの一種ですが、一般的に用いられる、抗炎症作用を期待して使われるステロイドとは違う感じ。
アルドステロンと同じような作用、ということで血圧上昇作用があるため、低血圧に使われるのです。
低血圧にリスモダン?
失神とは一過性の全般性脳血流の低下により引き起こされる一過性の意識消失と定義されます。失神の場合、数分以内(多くは1分以内)に意識は回復します。意識の回復が遷延する場合は失神ではなく意識障害と診断します。
神経調節性失神は、排尿、咳嗽、嚥下、食後などの特定の状況で発症する状況失神、恐怖、疼痛、驚愕など情動ストレスにより惹起される情動失神、および血管迷走神経反射による失神を総称する概念とされています。
神経起因性失神の原因は様々ですが、神経反射に伴う一過性の血圧低下などが見られます。血圧の降下とふらつきはこの神経起因性失神の可能性がありますが、リスモダンが抗コリン作用による心拍数増加などを目的として用いられます。他にもメトリジン、リズミックが使用されることがあります。
ただし、保険適応外の為疑義照会が必要です。
副交感神経の機能を抑える薬物(リスモダン、ブスコパンなど)や、血管拡張を予防する薬物(インドメタシンなど)が有効な場合もあります。
抗コリン作用を期待して、というなら抗コリン薬のブスコパンとかチアトンみたいなほうが処方しやすそうですが、失神というのが一種の不整脈的な反応であるならリスモダンがベストチョイスなのかなあ。
昇圧薬について
起立性低血圧・失神に対する各種の昇圧薬を含む治療薬は、無作為化臨床試験でその有効性が証明されていない。
プラセボ効果との成績もある。
昇圧薬の適応となる低血圧には、本態性低血圧症、起立性低血圧症、神経循環無力症などの軽症~慢性例から、いわゆるショック状態(出血性、心原性、エンドトキシン性、アナフィラキシー性)などの重症例があり、原因に応じて薬剤を選択する必要がある。
通常、心拍出量の増大(β刺激作用)か全末梢抵抗の増加(α刺激作用)により昇圧させる。主として交感神経刺激薬が用いられる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。
1 件のコメント
yakuzaic様
大変参考になる記事でしたので、リンクを張らせていただきました。ご迷惑でしたら削除いたしますのでご連絡ください。