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低カリウム血症は見逃す?
公開. 更新. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約2分33秒で読めます.
2,886 ビュー. カテゴリ:ナトリウムとカリウム
ナトリウムは通常136~145mEq/Lで血管内に存在するので、多飲をして血液が薄まると血液中に占めるナトリウムの割合が大きく減ります。
数値的な変動が大きいため、問題視されやすいです。
ところが、カリウムはそもそも通常で3.7~4.5mEq/Lしか存在しないので、血液が非常に薄まっても割合の変動が少なく、数値的に3.7→3.2といった変動しか示さないのです。
しかし、このたった0.5の違いは非常に大きく、危険な状態を示していると判断しなければなりません。
利尿薬によって低カリウム血症を来すことは多いが、心不全のある患者の場合、カリウム値の低下は覚悟の上で処方されていることも少なくない。そのため、基準値を少し下回った程度で疑義照会をかけるのではなく、低カリウム血症による身体症状が出ていないかを確認した上での疑義照会が必要。
血清カリウム値が2.5mmol/Lを下回ると、四肢脱力などの症状が表れることが多いとされている。
カリウム製剤
カリウムは細胞内液の陽イオンの主要構成成分でありその濃度は100~140mEq/L前後である。
これに対し細胞外液では4mEq/Lと細胞内の1/35しか含まれていない。
したがって血清カリウム値が必ずしも全身のカリウム量を反映していないが、おおよその欠乏量は次のごとく推定する。
血清カリウム値が3mEq/L以下の場合、1mEq/Lの低下は200~400mEq/Lの不足に、血清カリウム値が2mEq/L以下の場合、1mEq/Lの低下は400mEq/L以上の不足に相当する。
通常、血清カリウム値が2mEq/LまではKCl投与で対処できるが、血清カリウム値が2mEq/L以下、ジギタリス製剤服用例、緊急を要する場合や経口摂取ができない場合はKClの経静脈的投与を行う。
著明な血清カリウム値の低下は低カリウム血性アルカローシスを伴うことが多いので、補正はKClで行うのが原則である。
この際、投与速度は20mEq/時、濃度は40mEq/Lを超えないように注意する。
高カリウム血症は重篤な不整脈や心停止を起こす。
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