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ケレンディアとセララの違いは?
公開. 更新. 投稿者:腎臓病/透析.この記事は約3分1秒で読めます.
8,522 ビュー. カテゴリ:MR拮抗薬
ケレンディアとセララどっちがいい?
慢性腎臓病治療薬「ケレンディア(フィネレノン)」が2022年5月25日に薬価収載された。
ケレンディアはミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬。セララ(エプレレノン)やミネブロ(エサキセレノン)と同じ作用機序の薬である。レノン系とでも呼ぼうか。
しかし、セララの適応症は、高血圧・心不全。
ミネブロの適応症は、高血圧のみ。
だが、ケレンディアの適応症は、「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」という今までのMR拮抗薬とは異なる適応症を持つ。
「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病」というだけでも、まずまずの条件だが、さらに、
アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬による治療が適さない場合を除き、これらの薬剤が投与されている患者に投与すること。
と、ACE-I、ARBを使用している患者という縛りがあったり、
10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。
という、病院でやりがちな10mgだけ採用して、20mg使う時は10mg2錠というやり方をさせないように釘を刺していたり、
併用禁忌として、クラリスやイトリゾールがあったり等、
かなりの曲者感がある。
ケレンディアの用法用量
ケレンディアの用法用量は、
通常、成人にはフィネレノンとして以下の用量を1日1回経口投与する。
eGFRが60mL/min/1.73m2以上:20mg
eGFRが60mL/min/1.73m2未満:10mgから投与を開始し、血清カリウム値、eGFRに応じて、投与開始から4週間後を目安に20mgへ増量する。
となっており、「ん?慢性腎臓病ってそもそもeGFRが60mL/min/1.73m2未満じゃねーの?」と思ったのだが、そこらへんはよくわからない。
しかし「eGFRが60mL/min/1.73m2以上」で治療開始する患者は少なさそうなので、10㎎から開始するパターンが多いだろうか。
MR拮抗薬と血清カリウム値
セララを高血圧患者に処方する際、クレアチニンクリアランス(CCr)が50mL/分未満の患者や、微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者は禁忌である。
これらの禁忌は高K血症の誘発を危惧したものである。
ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬は、スピロノラクトンのようにカリウム保持性降圧利尿薬としての働きも有するため、血清カリウム値の上昇がみられる。
ケレンディアと血清カリウム値
血清カリウム値(mEq/L) | 用量調節 |
---|---|
4.8以下の場合 | 20mg1日1回の場合:維持 10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量(ただし、eGFRが前回の測定から30%を超えて低下していない場合に限る。) |
4.8超5.5以下の場合 | 維持 |
5.5超の場合 | 中止 |
ミネブロと血清カリウム値
本剤の投与中に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えた場合には減量を考慮し、5.5mEq/L以上の場合は減量ないし中止し、6.0mEq/L以上の場合には直ちに中止すること。
セララと血清カリウム値
血清カリウム値 mEq/L | 用法・用量調節 |
---|---|
5.0未満 | 50mg1日1回の場合:維持 25mg1日1回の場合:50mg1日1回に増量 25mg隔日の場合:25mg1日1回に増量 |
5.0~5.4 | 維持 |
5.5~5.9 | 50mg1日1回の場合:25mg1日1回に減量 25mg1日1回の場合:25mg隔日に減量 25mg隔日の場合:中断 |
6.0以上 | 中断 |
血清カリウム値6.0以上で中止となっているセララ、ミネブロと比べて、5.5以上で中止となっているケレンディアはより腎機能が低下した患者に用いられるため、血清カリウム値の上昇に配慮した記載になっている。
腎臓とレニンアンジオテンシンアルドステロン経路
慢性腎臓病(CKD)の治療にはレニンアンギオテンシンアルドステロン経路の阻害が大事です。
ACE阻害薬とARBのRAS阻害薬はアンギオテンシンIIを抑制することで、血管を拡張して血圧を下げます。腎臓においては輸出細動脈を拡張し糸球体内圧をさげることで、尿タンパクを減らすなど腎臓を保護する働きをします。
また、RAS阻害薬はアルドステロンの産生も抑えます。
しかし、RAS阻害薬を長期に使用していると、アルドステロンの抑制が効かなくなってくることがあります。これをアルドステロンブレイクスルー現象といいます。
また、ミネラルコルチコイド受容体は、アルドステロンの他にも活性化される経路があるため、RAS阻害薬ではミネラルコルチコイドの活性を十分に抑制することができません。そこで、ミネラルコルチコイド受容体を直接抑制するMR拮抗薬が使われるわけです。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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1 件のコメント
全然わかってない笑