2024年11月24日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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クロミッドでかすみ目?

クロミッドと霧視

クロミッドの副作用に霧視というのがあります。
視界が霧状になる、つまりかすみ目。

排卵誘発剤で、かすみ目というのは結び付かない。

クロミッドは抗エストロゲン作用がある。
女性にとってエストロゲンは若さの源。足りなくなれば更年期障害になる。目の老化にも結び付くかも知れない。

ノルバデックスやフェアストンなどの乳がん治療薬も抗エストロゲン薬である。
「霧視」という記載は見られないが、

視力異常(0.1~5%未満)、視覚障害(0.1%未満):視力異常、また、角膜の変化、白内障、網膜症、網膜萎縮、視神経症、視神経炎、視神経萎縮等の視覚障害があらわれることがあるので、視力低下、かすみ目等があらわれた場合には眼科的検査を行い、異常があれば投与を中止すること。

と書かれている。

クロミッド服用中は運転してはいけない。

霧視等の視覚症状があらわれることがあるので、服用中は自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

ノルバデックス服用中は運転しても良い。
排卵誘発剤のセキソビット服用中も運転しても良い。

霧視の副作用

クロミッド以外に霧視の副作用の記載のある内服薬(目薬を除く)を挙げると、

ブイフェンド、ボルタレン、スピリーバ、スピオルト、ザイボックス、アイクルシグ、ベシケア、プラケニル、デトルシトール、トビエース、ネオキシテープ、ビムパット、タシグナ、ステーブラ、シンメトレル、グリベック、コンサータ、ザーコリ、ウリトス、カプレルサ、ピメノール、シベノール、ガバペン
など、けっこうあります。抗コリン作用を持つものが多いです。

ブイフェンドは警告に、

羞明、霧視、視覚障害等の症状があらわれ、本剤投与中止後も症状が持続することがある。本剤投与中及び投与中止後もこれらの症状が回復するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。

と書かれており、強めの注意となっている。

ベシケア、プラケニル、デトルシトール、トビエース、ネオキシテープ、ビムパット、タシグナ、ステーブラ、シンメトレル、グリベック、コンサータ、ザーコリ、ウリトス、カプレルサなども霧視のため運転注意。

抗不整脈薬ピメノール、シベノール、ガバペンにも霧視の副作用があり、運転注意となっているが、運転注意の理由は、霧視ではない。
ピメノールの運転注意の理由は、

失神、めまい、ふらつき、手足のしびれ等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

シベノールの運転注意の理由は、

めまい、ふらつき、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

ガバペンの運転注意の理由は、

傾眠、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

運転注意の理由としては、「眠気」が最も多いが、霧視などの視力障害も運転に支障をきたすので、注意喚起が必要です。
視力障害といえば、抗結核薬のエブトールなのですが、エブトールに運転注意の記載はみられない。視力障害が出た時点で服用中止になるからだろうか。

PPIで視力障害?

プロトンポンプ阻害薬による視神経症が報告されている。

血管平滑筋細胞にあるプロトンポンプが阻害されることにより、細胞内pHが低下し、血管収縮が起こり、虚血性の神経障害が起こると考えられている。

懸濁性点眼液で霧視?

濁った目薬(懸濁性点眼液)をさすと、目が見えにくくなる。

エイゾプトは、点眼時の刺激感を軽減するため懸濁化されており、点眼時に一時的に眼の前が真っ白になるくらいの霧視を生じます。

使用上の注意に、

本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。

とある。

アゾルガも同様の注意が書かれている。
ムコスタ点眼液にも同様の注意書きが書かれている。

その他の懸濁性点眼液は、
カリーユニには書かれていない。懸濁粒子が涙液により10秒以内に溶解するとのことなので、すぐに視界はよくなる。
フルメトロン、ネバナック、ベトプティックエス、タリムスなどにも注意書きは書かれていない。

目薬が濁っていても、視界が悪くなるとは限らない。
そもそもエイゾプトやアゾルガを使っている緑内障患者の視界はどうなんだろう、とも思います。

とにかく、エイゾプト、アゾルガ、ムコスタ点眼液の3つについては、添付文書上に「車の運転注意」という記載があるので注意しなければなりません。
外出前に急いで点眼するのは避けましょう。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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