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シンメトレルはインフルレンザに効くのか?
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分20秒で読めます.
2,241 ビュー. カテゴリ:シンメトレルとインフルエンザA型
パーキンソン病治療薬のシンメトレル(アマンタジン)がインフルエンザに処方されることがある。
シンメトレルの適応症は、
パーキンソン症候群
脳梗塞後遺症に伴う意欲・自発性低下の改善
A型インフルエンザウイルス感染症
B型には効果がない。
M2蛋白阻害薬のアマンタジンは、インフルエンザウイルスA型にしか有効でなく、最近のA型ウイルスはアマンタジンに耐性を持つウイルスが多くなっているため、使用頻度は少なくなっている。
今後、ノイラミニダーゼ阻害薬耐性インフルエンザウイルスが増えてくれば、シンメトレルの処方が復活することも考えれなくはない。
シンメトレル耐性インフルエンザ
現在、インフルエンザの治療薬といえば、タミフル、リレンザです。
タミフル、リレンザの発売前にはシンメトレルというパーキンソン病の薬がA型インフルエンザに効くので使われていました。
B型には効果がなく、精神神経系の副作用も多く、シンメトレル耐性インフルエンザウイルスも急速に増えていったため使われなくなっていきました。
シンメトレル耐性インフルエンザウイルスの急増の背景には、中国が鳥インフルエンザ対策として、薬価が安いアマンタジンを大量に飼料に混ぜて鶏に服用させていたことがあるらしいです。
2005/2006年のシーズンでは、アメリカのA香港型インフルエンザウイルスのシンメトレル耐性率は92.3%、日本では耐性率65.3%。
耐性獲得メカニズム
アマンタジン(M2蛋白質阻害薬)は、A型インフルエンザウイルスに存在するM2蛋白質のイオンチャネル活性を阻害し、脱殻の過程を阻止することにより、抗ウイルス効果を発揮する。
M2蛋白質の特定の部位に1つのアミノ酸変異が生じることにより、A型インフルエンザウイルスはアマンタジンに対して耐性化する。
第26、27、30、31、34位のアミノ酸変異が耐性を規定する主要な変異であり、なかでも最もよくみられるのは31位のセリンがアスパラギンに変異(Ser31Asn)したものである。
2009年の春から2010年初めにかけて流行した新型A(H1N1)2009ウイルスは、すべてがSer31Asn変異を有するアマンタジン耐性株である。
したがって、流行しているのがアマンタジン感受性ウイルスであることが確認できるまでは、アマンタジンをA型インフルエンザの治療薬あるいは予防薬として選択することはできない。
ドパミン遊離促進薬
シンメトレル(アマンタジン)は黒質線条体路のドパミン作動性ニューロンにおいて、ドパミンの放出促進作用、再取り込み抑制作用、合成促進作用によりパーキンソン病を軽減させると考えられる。
アマンタジンはもともと抗インフルエンザ薬として開発されたものである。
この薬は、グルタミン酸をニューロトランスミッターとする視床下核の興奮性を抑制することで抗PD作用を示すことが示唆されている。
最近では進行期のジスキネジアに対し、効果を示すことが期待されている。
一方で、小動物視などの視覚性幻視の問題があり、進行期に使用できないケースも経験する。
ジスキネジアが出現しているケースでは積極的に用いる。
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