記事
8つ星薬剤師になるには?
公開. 更新. 投稿者:薬局業務/薬事関連法規.この記事は約5分26秒で読めます.
4,598 ビュー. カテゴリ:7+1星薬剤師
向上心の低い私にとっては無縁の世界、とは言ってられなくなる将来が間近に来ているのかも知れない。
薬剤師は、医療チームのメンバーとして、多くの様々な役割を果たすために、相応のスキルと姿勢が求められています。
7つ星の薬剤師のコンセプトは、2000年にWHOによって照会され、FIP(国際薬学連合)により採択されました。
その役割は、Care giver(ケア提供者)、Decision-maker(決断者)、Communicator(コミュニケーター・伝達者)、Manager(管理者・経営者)、Life-long learner(生涯学習者)、Teacher(教育者)、Leader(リーダー)となっています。
この7つの能力を兼ね備えた薬剤師こそ,本当の意味で有能な薬剤師である、というもの。
そして、WHO(世界保健機構)とFIP(国際薬剤師・薬学連合)は、2006年に「薬剤師業務のさらなる展開~患者中心のケアを目指して~」と題された声明を発表し、Reseacher(研究者)が追加されました。
そのため、7+1の8つ星薬剤師という新しい概念が提唱されました。
そこには、
「薬剤師は患者ケアの提供を通じた、社会への貢献を始めるべきだ。調剤という作業だけでは、薬剤師に未来はない。いずれ調剤の作業はインターネット、専用機器、厳しく訓練された技術補助員たちが行えるようになる。」
といったことが書かれています。
う~ん、厳しい。
「医療提供者(Care giver)」
医療システムの下、薬剤師は他の医療従事者と共に最高の質のサービスを患者に提供しなくてはならない。
「解決型決断者(Decision-maker)」
安全で有効、費用効果の高い資源・財源(人材、薬物、化学製品、機材など)を適切に活用することが薬剤師としての基盤であるべき。以上を実現するためには、さまざまなデータなどを評価して、最適な方法を決定する能力が必要である。
「情報伝達者(Communicator)」
薬剤師は薬を処方する医師と患者をつなぎ、医療品や健康に関する情報を伝えるために、豊富な知識とコミュニケーション能力を持っていなくてはならない。
「医療管理者(Manager)」
資源(人材、機器、金銭)や情報を効果的に活用して、管理・運用していかなくてはならない。
「生涯学習者(Life-long learner)」
学生時代に取得する理念や疑念を基にして、薬剤師は常に最新の知識とスキルを学んでいかなくてはならない。
「教育者(Teacher)」
全ての薬剤師は、次世代を担う人材の育成や教育を支援する責任を負う。
「先導者(Leader)」
複数の専門家による医療、または医療者が不足している地域では、薬剤師は患者に対してリーダーシップを担わなくてはならない。
「研究者(Reseacher)」
薬剤師は医薬品を合理的に使用するために、科学的根拠や薬学臨床的根拠などに基づいた情報を効果的に活用していかなくてはならない。
「生涯学習者」ではありたいと思う。
その上で「情報伝達者」になるためには、医師以上の薬に関する知識が必要。
薬剤師であれば「医療提供者」である必要があり、管理薬剤師になれば「医療管理者」「解決型決断者」になることが求められるのではなかろうか。
私自身は「教育者」「先導者」というような器ではないと思う。
学術発表ができるような「研究者」にはなれないだろう。
ということで、私自身がなれるとしたら生涯学習を怠らない1つ星薬剤師レベルだろう。
薬剤師綱領
一, 薬剤師は国から付託された資格に基づき, 医薬品の製造,調剤,供給において,その 固有の任務を遂行することにより,医療水 準の向上に資することを本領とする。
一, 薬剤師は広く薬事衛生をつかさどる専門職 としてその職能を発揮し,国民の健康増進に 寄与する社会的責務を担う。
一, 薬剤師はその業務が人の生命健康にかか わることに深く思いを致し,絶えず薬学, 医学の成果を吸収して,人類の福祉に貢献 するよう努める。
薬剤師行動規範
薬剤師は、国民の信託により、憲法及び法令に基づき、医療の担い手とし て、人権の中で最も基本的な生命及び生存に関する権利を守る責務を担っ ている。この責務の根底には生命への畏敬に基づく倫理が存在し、さらに、 医薬品の創製から、供給、適正な使用及びその使用状況の経過観察に至る までの業務に関わる、確固たる薬(やく)の倫理が求められる。 薬剤師が人々の信頼に応え、保健・医療の向上及び福祉の増進を通じて 社会に対する責任を全うするために、薬剤師と国民、医療・介護関係者及び 社会との関係を明示し、ここに薬剤師行動規範を制定する。
1.任務 薬剤師は、個人の生命、尊厳及び権利を尊重し、医薬品の供給その他薬事衛 生業務を適切につかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、 もって人々の健康な生活を確保するものとする。
2.最善努力義務 薬剤師は、常に自らを律し、良心と他者及び社会への愛情をもって保健・医 療の向上及び福祉の増進に努め、人々の利益のため職能の最善を尽くす。
3.法令等の遵守 薬剤師は、薬剤師法その他関連法令等を正しく理解するとともに、これらを 遵守して職務を遂行する。
4.品位及び信用の維持と向上 薬剤師は、常に品位と信用を維持し、更に高めるように努め、その職務遂行 にあたって、これを損なう行為及び信義にもとる行為をしない。
5.守秘義務 薬剤師は、職務上知り得た患者等の情報を適正に管理し、正当な理由なく漏 洩し、又は利用してはならない。
6.患者の自己決定権の尊重 薬剤師は、患者の尊厳と自主性に敬意を払うことによって、その知る権利及 び自己決定の権利を尊重して、これを支援する。
7.差別の排除 薬剤師は、人種、ジェンダー、職業、地位、思想・信条及び宗教等によっ て個人を差別せず、職能倫理と科学的根拠に基づき公正に対応する。
8.生涯研鑽 薬剤師は、生涯にわたり知識と技能の水準を維持及び向上するよう研鑽する とともに、先人の業績に敬意を払い、また後進の育成に努める。
9.学術発展への寄与 薬剤師は、研究や職能の実践を通じて、専門的知識、技術及び社会知の創生 と進歩に尽くし、薬学の発展に寄与する。
10.職能の基準の継続的な実践と向上 薬剤師は、薬剤師が果たすべき業務の職能基準を科学的原則や社会制度に基 づいて定め、実践、管理、教育及び研究等を通じてその向上を図る。
11.多職種間の連携と協働 薬剤師は、広範にわたる業務を担う薬剤師間の相互協調に努めるとともに、 他の医療・介護関係者等と連携、協働して社会に貢献する。
12.医薬品の品質、有効性及び安全性等の確保 薬剤師は、医薬品の創製から、供給、適正な使用及びその使用状況の経過観 察に至るまで常に医薬品の品質、有効性及び安全性の確保に努め、また医薬品 が適正に使用されるよう、患者等に正確かつ十分な情報提供及び指導を行う。
13.医療及び介護提供体制への貢献 薬剤師は、予防、医療及び介護の各局面において、薬剤師の職能を十分に発 揮し、地域や社会が求める医療及び介護提供体制の適正な推進に貢献する。
14.国民の主体的な健康管理への支援 薬剤師は、国民が自分自身の健康に責任を持ち、個人の意思又は判断のも とに健康を維持、管理するセルフケアを積極的に支援する。
15.医療資源の公正な配分 薬剤師は、利用可能な医療資源に限りがあることや公正性の原則を常に考 慮し、個人及び社会に最良の医療を提供する。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。