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熱中症になりやすくなる薬
公開. 更新. 投稿者:風邪/インフルエンザ.この記事は約2分13秒で読めます.
3,592 ビュー. カテゴリ:熱中症と発汗
薬の副作用で熱中症になる?
エクセグラン/トレリーフ(ゾニサミド)の副作用に「発汗減少に伴う熱中症」というのがある。
重要な基本的注意にも「発汗減少があらわれることがあり、特に夏季に体温が上昇することがあるので、本剤投与中は体温上昇に留意し、このような場合には高温環境下をできるだけ避け、減量又は中止など適切な処置を行うこと。」という注意書きがある。
熱中症や風邪などで体温が上がると発汗し、皮膚の表面に出た汗の水分蒸発によって体熱を下げる仕組みがある。そのため、汗をかけないと熱をうまく逃せず、高熱になる可能性がある。
同じ抗てんかん薬のトピナ(トピラマート)も「乏汗症及びそれに伴う高熱」という記載があり、熱中症という記載ではないが、発汗減少による高熱に注意すべき薬である。
これらの抗てんかん薬による発汗減少の機序は不明であるが、いずれも炭酸脱水酵素阻害活性を持つことから、エクリン腺に存在する炭酸脱水酵素を阻害し、汗腺への水の移動を抑制するため、汗生成を抑える可能性が考えられている。
ただ、炭酸脱水酵素阻害薬といえばダイアモックス(アセタゾラミド)であるが、ダイアモックスの副作用に発汗減少等の記載は無い。
夏の暑い時期に体育館で運動後に急に発熱する患者や、炎天下の作業のあと元気がなくなる患者がいたら注意です。熱中症になり、命にかかわる状態になることもあります。
利尿剤で熱中症
ほかに、副作用に「熱中症」と記載のある薬には、カナリア配合錠がある。
これは、カナリア配合錠に入っているカナリア(カナグリフロジン)の利尿作用が影響していると考えられる。
体の水分を出すような薬、利尿剤や下剤で熱中症をおこすのは想像に難くない。
そのため、SGLT2阻害薬のような利尿作用を持つ薬でも熱中症を引き起こすだろう。
また、熱中症のような脱水症状を起こされると、メトグルコによる乳酸アシドーシスのリスクが高まるので、メトグルコとSGLT2阻害薬の併用は、特に夏場は注意する必要があるだろう。
抗コリン薬で熱中症
ほかにも、添付文書に具体的な記載は無いが、抗コリン作用をもつ薬には、発汗を減少させる働きがあるので熱中症に注意が必要である。
発汗は視床下部の興奮がコリン作動性神経を介して全身の汗腺に伝えられることで起きるため、抗コリン作用を持つ薬剤の投与によって発汗が抑制される。
抗コリン薬、抗パーキンソン病薬を大量に服用している患者は、体温が上昇しても発汗で体温を調整することができにくいです。
パーキンソン病患者は高齢者が多いですが、高齢者は熱中症になりやすい。
加齢の影響に加えて、精神・神経疾患、糖尿病、高血圧、心疾患、腎疾患などの疾患を抱え、多数の薬剤を服用していると、熱中症のリスクはさらに高くなる。パーキンソン病治療薬、抗てんかん薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬などの薬剤は、視床下部機能を抑制し、体温調節や発汗を阻害する。
暑さで食欲が低下すると、水分や塩分の摂取量が不足しがちなので、意識して熱中症予防に取り組むよう注意する。
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