2024年11月20日更新.2,474記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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抗てんかん薬の一覧

抗てんかん薬一覧

分類商品名一般名(‐ステム)
バルビツール酸系薬プリミドンプリミドン
フェノバールフェノバルビタール
ワコビタール/ルピアールフェノバルビタールナトリウム
ヒダントイン系薬アレビアチン/ヒダントールフェニトイン
アクセノンエトトイン
複合アレビアチンフェニトイン+フェノバルビタール
ヒダントールD/ヒダントールE/ヒダントールFフェニトイン+フェノバルビタール+安息香酸ナトリウムカフェイン
オキサゾリジン系薬ミノアレトリメタジオン
スルフォンアミド系薬オスポロットスルチアム
サクシミド系薬エピレオプチマル/ザロンチンエトスクシミド
アセチル尿素系薬クランポールアセチルフェネトライド
ベンゾジアゼピン系薬リボトリール/ランドセンクロナゼパム(‐ゼパム)
ダイアップジアゼパム(‐ゼパム)
マイスタンクロバザム
イミノスチルベン系薬テグレトールカルバマゼピン
オクノベルオクスカルバマゼピン
分枝脂肪酸系薬デパケン/バレリンバルプロ酸ナトリウム
デパケンR/セレニカRバルプロ酸ナトリウム徐放剤
ベンズイソキサゾール系薬エクセグランゾニサミド
新世代薬GABA誘導体ガバペンガバペンチン
カイニン酸型グルタミン酸受容体抑制トピナトピラマート
トリアジン系ラミクタールラモトリギン
ピロリドン誘導体イーケプラレベチラセタム
選択的AMP型グルタミン酸受容体拮抗剤フィコンパペランパネル水和物
Naチャネルブロッカービムパットラコサミド
ディアコミットスチリペントール
イノベロンルフィナミド
サブリルビガバトリン
一般名作用機序特徴
フェニトインNa⁺チャネル遮断
L型Ca²⁺チャネル遮断
部分発作、強直間代発作の第二選択薬
カルバマゼピンNa⁺チャネル遮断部分発作の第一選択薬
全般発作には使用しない(欠神発作、ミオクロニー発作を増悪する可能性があるため)
ラモトリギンNa⁺チャネル遮断部分発作、欠神発作、強直間代発作に他剤と併用
ゾニサミドNa⁺チャネル遮断
T型Ca²⁺チャネル遮断
炭酸脱水酵素阻害
部分発作、強直間代発作の第二選択薬
ミオクロニー発作に他剤と併用
トピラマートNa⁺チャネル遮断
L型Ca²⁺チャネル遮断
グルタミン酸受容体阻害
GABAA受容体機能促進
炭酸脱水酵素阻害
部分発作、欠神発作、強直間代発作に他剤と併用
バルプロ酸T型Ca²⁺チャネル遮断
GABA分解抑制
グルタミン酸受容体阻害
全般発作の第一選択薬
部分発作の第二選択薬
ガバペンチンL型Ca²⁺チャネル遮断
GABA濃度上昇
部分発作に他剤と併用
全般発作には使用しない(欠神発作、ミオクロニー発作を増悪する可能性があるため)
フェノバルビタールGABAA受容体機能促進
Na⁺チャネル遮断
L型Ca²⁺チャネル遮断
部分発作、強直間代発作の第二選択薬
クロナゼパムGABAA受容体機能促進
Na⁺チャネル遮断
ミオクロニー発作の第二選択薬
クロバザムGABAA受容体機能促進
Na⁺チャネル遮断
部分発作、強直間代発作に他剤と併用
ジアゼパムGABAA受容体機能促進
Na⁺チャネル遮断
てんかん重積状態の第一選択薬
エトスクシミドT型Ca²⁺チャネル遮断欠神発作の第二選択薬
レベチラセタムグルタミン酸遊離阻害(シナプス小胞蛋白に結合)部分発作、ミオクロニー発作、強直間代発作に他剤と併用

てんかんの選択薬

発作型第1選択薬第2選択薬新規抗てんかん薬避けるべき薬剤
部分発作カルバマゼピンフェニトイン
ゾニサミド
バルプロ酸
ラモトリギン
レベチセタム
トピラマート
全般発作欠神発作バルプロ酸エトスクシミドラモトリギン
ミオクロニー発作クロナゼパムレベチラセタム
強直間代発作フェノバルビタール
クロバザム
フェニトイン
ラモトリギン
トピラマート
レベチラセタム
カルバマゼピン
ガバペンチン

抗てんかん薬の作用機序

抗てんかん薬興奮シグナルを抑制抑制シグナルを増強
Na⁺チャネル遮断Ca²⁺チャネル遮断グルタミン酸遊離阻害グルタミン酸受容体阻害GABA濃度上昇GABAA受容体機能促進炭酸脱水酵素阻害
T型L型
フェニトイン
カルバマゼピン
ラモトリギン
ゾニサミド
トピラマート
バルプロ酸
ガバペンチン
フェノバルビタール
ベンゾジアゼピン系
エトスクシミド

新規抗てんかん薬の単剤療法

新規抗てんかん薬効能効果単剤投与の可否
イーケプラ〇てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)
〇他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法
ガバペン他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法×
ラミクタール○てんかん患者の下記発作に対する単剤療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
定型欠神発作
○他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
Lennox-Gastaut症候群における全般発作
○双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制
トピナ他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法×
フィコンパ他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の下記発作に対する抗てんかん薬との併用療法
部分発作(二次性全般化発作を含む)
強直間代発作
×
ビムパット他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法×

てんかんの分類

特発性症候性
部分中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん(ローランドてんかん)、良性後頭葉てんかん側頭葉てんかん、前頭葉てんかん、頭頂葉てんかん、後頭葉てんかん、コシェフニコフ症候群
全般良性新生児家族性けいれん、良性新生児けいれん、乳児良性ミオクロニーてんかん、小児欠神てんかん(ピクノレプシー)、若年性欠神てんかん、若年ミオクロニーてんかん(JME)、覚醒時大発作てんかんウエスト症候群(点頭てんかん、乳児スパスム、BNSけいれんとも呼ばれます)、レノックス・ガストー症候群、ミオクロニー失立発作てんかん、ミオクロニー欠神てんかん、早期ミオクロニー脳症(EME)、サプレッションバーストを伴う早期乳児てんかん脳症
発作の型特徴
部分発作単純部分発作多彩な症状は、発作が発現した大脳皮質部位によって決定される。約20~60秒持続する。重要な特徴は意識が保持されていることである。
複雑部分発作30秒~2分続く意識障害。唇をならしたり(lip smacking)、手を強く握りしめる(hand wringing)などの目的のない動きをしばしば伴う。
二次性全般性強直ー間代発作を伴う部分発作単純または複雑部分発作が強直ー間代発作へ発展する。意識消失する。全身の筋の持続収縮(強直性)に続き筋収縮の期間と弛緩(間代性)の期間が交互する。通常1~2分続く。
全般発作欠神発作凝視と動作の中止を伴う突然の意識障害。持続は通常30秒以内。
ミオクローヌス発作短時間(おそらく1秒)のショックのような筋収縮が四肢の一部に起こるか、全般化する。
強直ー間代発作意識消失する。全身の筋の持続収縮(強直性)に続き筋収縮の期間と弛緩(間代性)の期間が交互する。通常1~2分続く。ただし部分発作は先行しない。

てんかんに禁忌の薬一覧表

医薬品名理由
ルジオミールてんかん等の痙攣性疾患 →痙攣を起こすおそれ
リーマスてんかん等の脳波異常 →脳波異常を増悪
ベタナミンてんかん等の痙攣性疾患 →痙攣閾値を低下
トラマール十分な管理がされていないてんかん →症状悪化
MSコンチン、カディアン痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果
オキシコンチン錠痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果
コデインリン酸塩痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果
ジヒドロコデインリン酸塩痙攣状態(てんかん重積症等)  →脊髄の刺激効果
セキコデ痙攣状態(てんかん重積症等) →脊髄の刺激効果
ベサコリンてんかん →てんかん発作の誘発
アボビスてんかん →てんかん発作の誘発
サリグレン、エボザックてんかん →てんかん発作の誘発

てんかん発作の分類と主な使用薬剤

部分発作(脳内の一部で過剰な興奮が生じることが原因)
→カルバマゼピン、フェニトイン、ゾニサミド、バルプロ酸ナトリウム、ラモトリギン、レベチラセタム、トピラマート、ラコサミド、ペランパネル水和物
・単純部分発作・・・意識障害を伴わない
・複雑部分発作・・・意識障害を伴う
・二次性全般化発作・・・脳内の一部で生じた過剰な興奮が脳全体に広がる

全般発作(脳全体で過剰な興奮が一斉に生じることが原因)
→バルプロ酸ナトリウム、クロバザム、フェニトイン、クロナゼパム、ゾニサミド
・欠神発作・・・しばらくの間、意識が失われる(エトスクシミド、ラモトリギン)
・ミオクロニー発作・・・手や足の筋肉が一瞬ピクッと動く(クロナゼパム、レベチラセタム)
・強直間代発作・・・意識を失い体を突っ張らせ硬く縮まった後、手足をガクガクと曲げたり伸ばしたりする(フェノバルビタール、ラモトリギン、トピラマート、レベチラセタム、ペランパネル水和物)

抗てんかん薬の分類

脳の過剰な興奮を抑えて痙攣発作を予防する薬です。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
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著書: 薬局ですぐに役立つ薬剤一覧ポケットブック
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