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薬剤性過敏症症候群と薬疹の違いは?
公開. 更新. 投稿者:副作用/薬害.この記事は約2分34秒で読めます.
2,684 ビュー. カテゴリ:薬剤性過敏症症候群
「薬剤性過敏症症候群」という副作用がある。
名前だけ聞くと、過敏症、薬疹と同程度のものだと推測されるが、重篤な副作用で、通常の過敏症とは異なるという。
薬剤性過敏症症候群(druginduced hypersensitivity syndrome;DIHS) は、薬剤の服用開始後、遅発性に発症する重症薬疹である。
発症時期は服用開始後2~6週間が最も多いとされ、急速に拡大する紅斑のほか、リンパ節腫脹、発熱、白血球増多、肝機能障害などの全身症状を呈する。
通常の薬疹とは異なり、原因薬剤の中止後も、2週間以上症状が遷延または再燃することが多いのも特徴である。
DIHSを起こす薬剤は少なく、抗痙攣薬や尿酸降下薬などが報告されている。
薬剤性過敏症症候群の原因薬剤
抗てんかん薬:カルバマゼピン、フェニトイン、フェノバルビタール、ゾニサミド
痛風治療薬:アロプリノール
サルファ剤:サラゾスルファピリジン
抗ハンセン病薬:ジアフェニルスルホン
不整脈治療薬:メキシレチン
抗生物質:ミノサイクリン
DIHSとヘルペスウイルス
DIHSの病態は、原因薬剤に対するアレルギーのほかに、ヒト6 型ヘルペスウイルス(human herpesvirus6:HHV6) の再活性化が関与しているとされる。
HHV6 は突発性発疹の原因ウイルスで、不顕性感染も含めて、ほとんどの人が2歳になるまでに感染する。
その後、免疫系の細胞に潜伏し、免疫機能の低下などに伴い再活性化すると考えられている。
DIHSにおいて、どのような機序でHHV6の再活性化が引き起こされるのかは明らかではないが、DIHS患者では、発症の3~4週間後にHHV6に対する血清IgG抗体が急激に上昇する。
この時期は、DIHSの症状が再燃する時期に一致するため、最初に原因薬剤の中間代謝産物がアレルギーを誘発し、それにより活性化された特殊なT細胞がHHV6の再活性化を促し、原因薬剤の中止後も症状の進行や再燃を起こすのではないかと考えられている。
同じ原因薬剤による薬疹でも、DIHS ではない薬疹の場合、HHV-6のIgG抗体の上昇は見られない。
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