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ベネシッドとペニシリンの併用目的は?
公開. 更新. 投稿者:抗菌薬/感染症.この記事は約1分29秒で読めます.
3,051 ビュー. カテゴリ:ベネシッドとペニシリン
痛風に使われる尿酸排泄促進薬ベネシッドの適応症には、痛風以外にも、
「ペニシリン、パラアミノサリチル酸の血中濃度維持」というのがある。
最近はベネシッドの処方自体ほとんど見ることがなく、実際にこのような使い方をしているのも見たことは無い。
プロベネシドの痛風に対する作用機序は、尿酸排泄促進です。
痛風の原因は、尿酸の蓄積であり、尿酸の排泄を促進すれば痛風発作を起こさずに済みます。
腎臓で尿が作られた後、尿は尿細管と呼ばれる管を通って膀胱へと移動します。
この時の原尿には糖やアミノ酸など、体に必要な栄養素が含まれています。
これらの栄養まで排泄しないように、尿細管の中を尿が通っているうちに、糖やアミノ酸は血液中へと吸収されます。これを再吸収と呼びます。
そして、尿酸も同じように尿細管を通っているうちに血液中へと再吸収されます。
尿としてろ過された尿酸のうち、実際に尿中へ排泄される量は6~10%とされています。
つまり、残りの90~94%は再び体の中へと戻ってしまうのです。
この尿酸の再吸収を抑制する薬が、尿酸排泄促進薬のベネシッドです。
ペニシリンは、尿細管から血液中へと吸収される尿酸とは逆に、血液中から尿細管の中へと排泄されます。
そのため、ベネシッドはペニシリンが排泄される過程を阻害し、血中濃度を持続させる働きを持ちます。
しかし同じ尿酸排泄促進薬のユリノーム(ベンズブロマロン)ではペニシリンの作用増強にならないという。プロベネシドは尿細管排泄を抑制するが、ベンズブロマロンは尿細管排泄を抑制しません。
もともとプロベネシドはペニシリンの作用増強を目的として、「ペニシリン排泄抑制薬」として開発されたものである。プロベネシドの尿細管排泄抑制作用により、プロベネシドはペニシリンやインドメタシン、パラアミノサリチル酸などの薬物と尿細管排泄を拮抗する。
日常目にするような感染症でペニシリン+ベネシッドの処方を見ることは無いと思われますが、梅毒のような感染症で使用されるケースもあるようなので注意が必要です。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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