更新日:2015年10月22日.全記事数:3,124件.

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気管支喘息にβ遮断薬は禁忌?


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気管支喘息とβ遮断薬

気管支喘息患者にβ遮断薬は禁忌、だと思い込んでいました。

だって、チモプトールやミケランなどの目薬でも禁忌なんだもん。
飲み薬は言わずもがなでしょ、って。

気管支喘息に禁忌のβ遮断薬
β1非選択性、ISA(+):ミケラン、カルビスケン
β1非選択性、ISA(-):インデラル、ナディック、ハイパジール
αβ非選択性遮断薬ISA(-):アーチスト、ローガン、アロチノロール、トランデート

気管支喘息に禁忌じゃないβ遮断薬
β1選択性、ISA(+):アセタノール、セレクトール
β1選択性、ISA(-):セロケン、ロプレソール、テノーミン、メインテート、ケルロング

受容体非選択性の薬はβ2刺激作用も併せ持つため、禁忌ですが、β1受容体に選択性の高い薬は、気管支喘息やCOPDにも使えるわけです。
とくにメインテートはβ1受容体選択性は高いようです。
しかし、慎重投与ではあるので注意は必要。

「気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者」という記載と、「気管支喘息,気管支痙れん,慢性閉塞性肺疾患のおそれのある患者」という記載で分かれており、喘息には禁忌だけどCOPDには禁忌じゃないみたいなものもある。

β受容体のサブタイプ

β受容体にはβ1、β2、β3の3つのサブタイプがある。
それぞれ主に心臓、気道、脂肪細胞に存在し、β1は心機能促進性、β2は平滑筋弛緩性、β3は脂肪分解促進性に作用する。

LABAはβ2受容体に結合し、アデニル酸シクラーゼを活性化してcAMPを増加させる。
その結果、プロテインキナーゼAを活性化し、気管平滑筋を弛緩させる。

一方、高血圧や狭心症などに用いられるβ遮断薬は、β1受容体を遮断し、カテコールアミンの作用を競合的に抑制することで心拍出量やレニン産生・分泌などを低下させ、降圧作用や心負荷軽減作用を示す。
β遮断薬は、β1受容体への選択性やα遮断作用の有無、内因性交感神経刺激作用(ISA)などによって分類される。

β遮断薬でCOPDの予後改善?

従来、COPDに対するβ遮断薬の使用は回避される傾向にあった。
β2受容体の遮断により、気道収縮を悪化させる恐れがあると考えられていたためである。

しかし、現在までに、それを否定する内容の研究結果が数多く報告されている。
1998年に報告された観察研究では、急性心筋梗塞を発症したCOPD患者4万2000人において、β遮断薬を使用した群は使用しなかった群に比べて、死亡率が40%低いことが判明した。
また、高血圧を合併するCOPD患者を対象とした別の研究では、β遮断薬投与群はカルシウム拮抗薬投与群に比べて、有意に死亡率が低かったことも報告されている。

ガイドラインでも、COPDを有する高血圧患者へのβ遮断薬の使用に関して、「投与は可能であり、選択的β1遮断薬を使用する」と記載されている。
β1遮断薬がCOPDに有効な理由として、COPDが心血管疾患のリスク因子であることや、β1遮断薬がβ2受容体のアップレギュレーションを介してβ2刺激薬の効果を高める可能性が指摘されている。

参考書籍:日経DI2014.5

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