更新日:2016年8月30日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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SERMとSERDの違いは?


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ノルバデックスで子宮癌になる?

調剤薬局に勤めている身としては、注射剤の知識はあまり必要とされる機会はありませんが。
フェソロデックス(フルベストラント)という乳癌の薬についての勉強。

エビスタやビビアントはSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)。
乳癌治療薬のノルバデックスもSERM。
状況に応じて作動薬として働いたり、拮抗薬として働いたりする薬です。
モジュレーターってのは変調器って意味らしい。コントローラーじゃダメなのかな。意味が違うか。

骨のエストロゲン受容体には作用するが、乳房などに存在するエストロゲン受容体には作用せず拮抗する。
なんでそんなに都合よく作用することができるんだろうと、感心しますが。

で、フェソロデックスはSERD(選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター)という分類の薬になるらしい。
SERMですら、その作用機序が不思議と思っているのに、さらにわからないゾーンに来ました。
フェソロデックスはエストロゲン受容体をダウンレギュレーション、受容体数を減らす薬のようです。
そしたら、骨のエストゲン受容体数も減って骨折リスクが高まりそうですが、これも組織特異性により乳房のみに働くという都合のよい薬なのだそうです。

ノルバデックス(SERM)の場合、骨だけでなく子宮に対してもアゴニスト的に働くので、子宮癌のリスクを上昇させる可能性があります。
フェソロデックス(SERD)の場合は、骨にも子宮にも働かないため、子宮癌に対する心配はありません。
組織特異性、選択性ってすばらしいですね。

SERM

抗エストロゲン作用が発見されたタモキシフェンは、当初避妊薬として開発されていましたが、労を尽くした橋渡し研究により乳がん治療薬としての地位が確立されました。
その後もラロキシフェンなどの非ステロイド性抗エストロゲン薬が開発されていますが、これらは現在、選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)という概念で分類されています。本薬の作用が組織選択的に拮抗薬あるいは作動薬に変化するからです。

たとえば、ラロキシフェンは乳がんに対しては拮抗薬として作用しますが、骨に対しては作動薬として骨量増強作用を示します。
ラロキシフェンは発がんリスクがない閉経後骨粗霧症治療薬としても使用されています。

SERD

一方、エストロゲン作動活性を有しない拮抗薬として開発されたフルベストラントは、受容体に対する拮抗作用がタモキシフェンと比較して2桁増強されています。
特筆すべきは、拮抗作用の他にユビキチンープロテアゾーム経路を介してエストロゲン受容体の分解を促進する作用も有することで、「選択的エストロゲン受容体低減薬(SERD)」と呼ばれています。

フルベストラントは、大部分のSERM耐性がん細胞に対して抗がん作用を保持することが示されています。

参考書籍:薬効力 ―72の分子標的と薬の作用―

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