2024年4月15日更新.2,753記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

記事

PPIで肺炎になる?

【PR】

PPIで肺炎?

PPIとかガスターみたいなH2ブロッカーは大した副作用もないと安易に処方される傾向がある。

OTCのガスターもそうですが。

しかし、胃酸の役割について、消化だけでなく、感染予防の面にも注目して考える必要がある。

PPIで肺炎になりやすくなるという話。

 冠動脈バイパス術(CABG)を受ける患者に対してストレス潰瘍の予防目的でしばしば投与される胃酸分泌抑制薬について、プロトンポンプ阻害薬(PPI)のほうがH2ブロッカーよりも、術後肺炎リスクが1.19倍とやや高いことが示された。ストレス潰瘍予防目的のPPI、術後肺炎リスクを増大/BMJ CareNet.com

PPIやH2ブロッカーで胃内のpHが上がると、細菌が増殖しやすい環境となる。

強力に胃酸を抑えるPPIはH2ブロッカーよりも、肺炎リスクは高い。

逆流性食道炎で咳をしている高齢者にPPIが処方されるケースもありますが、PPIで胃酸を抑えると、誤嚥性肺炎のリスクも高くなるので、要注意。

手術前の投薬に限らず、逆流性食道炎かどうだかわからないようなケースでも、PPIが漫然と投与されているケースは多いので、風邪症状や咳など肺炎の症状には注意が必要。

胃食道逆流症で咳が出る?

胃食道逆流症により呼吸器合併症を発生することが古くより言われており、慢性咳嗽の原因となることがよくあります。

胸焼け、呑酸などの上部消化器症状を伴うことが特徴です。

その機序は胃食道逆流により迷走神経反射により咳嗽を発現することと胃内容物が気管に少量誤嚥されて咳嗽を引き起こすことが言われています。

通常の鎮咳薬で効果がなく上部消化管症状を呈する症例にヒスタミンH2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬などの消化性潰瘍治療薬を投与して有効であれば逆に胃食道逆流症による咳嗽と診断します。

食後すぐ横になると肺炎になる?

食後すぐ横になると牛になる、とよく言われていました。

牛にはなりませんが、食後すぐ横になるのは止めたほうがいいです。

食後、すぐに横になると胃食道逆流現象によって、胃液や胃に入った食物が逆流し、それを誤嚥することがあります。

三大慢性咳嗽

三大慢性咳嗽は世界的には後鼻漏、咳喘息、胃食道逆流症(GERD)とされています。
しかし、日本では食生活が欧米化しているとはいえ、欧米ほどGERDが多くはないため安易なGERDという病名でのプロトンポンプ阻害薬での治療は避ける必要があるでしょう。

また、三大慢性咳嗽に加え、結核・ACE阻害薬・肺がんが鑑別疾患として重要にはなります。
そのほかに百日咳、マイコプラズマ、クロミドフィラといった微生物が挙げられます。
しかし、国内でも咳の集団発生で百日咳やマイコプラズマなどが疑われ調査された事例があるのですが、起因微生物はかぜのウイルスであるライノウイルスであった、というものもあり、結局はかぜであるのに実臨床では過剰診療が行われている分野の一つかも知れません。

参考書籍;調剤と情報2014.3

【PR】
薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、【PR】薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

【PR】

3 件のコメント

  • ナウヴィレッジ のコメント
         

    PPIやH2ブロッカーで胃内のpHが下がると・・・。
    PH上がるのでは??

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    間違えました。訂正いたします。

  • ナウヴィレッジ のコメント
         

    いつも大変勉強になっております。
    これからもよろしくお願いします。
    尚、10/08ブラダロンの項のコメント「あ」とあったのも私が試しに書いたものですので、どうぞ気にされないでください。

コメント

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


カテゴリ

本の紹介

yakuzaic
yakuzaic/著
2023年09月14日発売

プロフィール

yakuzaic
名前:yakuzaic
職業:薬剤師
出身大学:ケツメイシと同じ
生息地:雪国
座右の銘:習うより慣れろ。学ぶより真似ろ。
SNS:X(旧ツイッター)
プライバシーポリシー
にほんブログ村 病気ブログ 薬・薬剤師へ

最新の記事


人気の記事

検索

【PR】