更新日:2017年1月22日.全記事数:3,124件.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたい。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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サムスカは利尿薬と併用しなきゃダメ?


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サムスカは水利尿薬?

サムスカという利尿剤がある。バソプレシン拮抗薬。
滅多にお目にかかることはありませんが。

利尿剤といっても、そこらへんにある、ラシックスやルプラック、アルダクトンAなんかとは違う。
強力な利尿剤。
そこらへんの利尿剤はNaとかKとかの電解質の排泄も増加する。
けど、サムスカは水だけを排泄する。

そのため水利尿薬と呼ばれる。

水だけを体外に出すので、高ナトリウム血症になりやすい。
減塩とかしたほうが良いのかな。

サムスカ単独の処方はダメ?

サムスカを飲むと、水だけを出すので、ナトリウムの排出が滞り、高ナトリウム血症に陥りやすい。

添付文書に、
「本剤は他の利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬等)と併用して使用すること。」
「本剤は水排泄を増加させるが、ナトリウム排泄を増加させないことから、他の利尿薬と併用して使用すること。」
という記載がある。

ラシックスやアルダクトンなどが処方されていない場合は疑義照会。

院内で処方開始しなきゃダメ?

常染色体優性多発性のう胞腎って適応もありますが、滅多に出ないと思うので、心不全及び肝硬変における体液貯留で院外処方されるケースがほとんどと思う。

いきなり院外処方ってのは添付文書上禁じられている。

本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至った症例が報告されており、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による橋中心髄鞘崩壊症を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始又は再開すること。また、特に投与開始日又は再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること。

院外処方されて「初めて飲む」という患者さんの場合には、疑義照会が必要。

「薬局ヒヤリ・ハット事例」をみると、

家族にも事情を説明した上で、FAXにて処方せん発行医療機関薬剤部に疑義照会を行った。処方せん発行医療機関薬剤部より「処方通り」との回答があった。理由の明示もなく、回答内容に疑問が残るため、直接当該薬剤部に電話で連絡し、前述の「適正使用のお知らせ」の内容を再度伝え、処方医師に確認をお願いした。処方医師から、「今まで何度かサムスカ錠15mgを初回から院外処方せんで投薬したが、この様な疑義照会を受けたことはない。全ての責任を持つから処方通り調剤して欲しい。」との回答があった。サムスカ錠15mgは、他の利尿剤とは異なり、電解質排泄の増加を伴わず、水分のみを排泄する利尿剤であり、高ナトリウム血症を起こす可能性が高いため、入院下で頻回の血清ナトリウム濃度の測定を行いながらの投薬が必要な旨を説明の上、処方の変更、または入院下での投薬を依頼した。その結果、処方医よりサムスカ錠15mgを中止し、処方内容を変更するとの回答があった。

「今まで何度かサムスカ錠15mgを初回から院外処方せんで投薬したが、この様な疑義照会を受けたことはない。全ての責任を持つから処方通り調剤して欲しい。」
ここまで言われて、引き下がらない薬剤師にあっぱれと言いたい。

しかし、門前の薬局が病院にここまで強気に疑義照会かけられるかな。

サムスカの処方にはサムスカカードが必要?

サムスカの適応に「常染色体優性多発性のう胞腎」というのが追加されましたが。
この病名でサムスカを処方する場合、処方医はe-ラーニングを受講する必要があり、その証明としてサムスカカードを患者に交付する必要があるらしい。

サムスカの処方自体あまり見ないのですが、サムスカカードは見たことがない。

てゆーか、まず「常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)」についてよく知らない。

ADPKDの患者さんは、日本では3万1千人いると言われている。
意外と多い。

サイクリックAMPという物質があります。肝臓や腎臓などにホルモンが働くときに、ホルモンの作用を細胞内に伝える役割をしています。腎臓の尿細管では、抗利尿ホルモンの作用を細胞内に伝える働きをサイクリックAMPが担当しています。正常の細胞ではサイクリックAMPは細胞の増殖(細胞分裂)を抑制していますが、多発性嚢胞腎の尿細管細胞では、嚢胞細胞の数を増やし、嚢胞内への溶液分泌を促進します。

サイクリックAMPを増やす抗利尿ホルモンには多発性嚢胞腎の腎臓の嚢胞を大きくする作用があります。抗利尿ホルモンの働きを抑えると、嚢胞の増大も抑えます。杏林大学:多発性嚢胞腎研究講座(Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease, ADPKD):多発性嚢胞腎とは

抗利尿ホルモンの働きを抑えると嚢胞の増大を抑える。
だから抗利尿ホルモン(バソプレシン)V2受容体拮抗薬のサムスカが使われるわけですか。

サムスカの用法用量は、

●心不全における体液貯留の場合
通常、成人にはトルバプタンとして15mgを1日1回経口投与する。
●肝硬変における体液貯留の場合
通常、成人にはトルバプタンとして7.5mgを1日1回経口投与する。
●常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制の場合
通常、成人にはトルバプタンとして1日60mgを2回(朝45mg、夕方15mg)に分けて経口投与を開始する。1日60mgの用量で1週間以上投与し、忍容性がある場合には、1日90mg(朝60mg、夕方30mg)、1日120mg(朝90mg、夕方30mg)と1週間以上の間隔を空けて段階的に増量する。なお、忍容性に応じて適宜増減するが、最高用量は1日120mgまでとする。

となっているので、1日2回の用法、あるいは1日用量が30mg以上の場合には、ADPKDに対する処方である可能性が考えられるので、疑義照会などの対応が必要となる。

利尿薬で痩せる?

Q.毎日お酒を飲んでいます。私のカラダはむくんでいるのでしょうか?

内臓を中心に隠れムクミがあると思っていいでしょう。ラシックスをときどき内服すれば、むくみは取れます。平均的に2~3kgぐらいのダイエット効果はあります。「ラシックス」ダイエット|ダイエットの法則

利尿薬で痩せようとするのはちょっと。

むくんでれば痩せるだろうね。

健康的な痩せ方では無いけれど。

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