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利尿剤を使うと心臓の負担が軽くなる?
公開. 更新. 投稿者:心不全/肺高血圧症.この記事は約3分51秒で読めます.
6,311 ビュー. カテゴリ:心性浮腫と利尿剤
ラシックスやフルイトラン、アルダクトンなどの利尿剤を、「利尿剤」という薬効分類名だけで説明すると、何のために尿を出すのか、服薬意義が理解できずにノンコンプライアンスに陥る患者も中にはいる。
特に高齢者の場合、尿に関するトラブルを抱えている人も多いので、その服薬意義についてはきちんと説明し理解してもらう必要があるだろう。
利尿剤を使うと心臓の負担が軽くなる。
尿を出すことで血圧が下がる。
体を流れる血液の量が少なくなれば、心臓の負担は軽くなる。血液の成分はほとんど水分なので、利尿剤によって水分を出すことで心臓の負担が軽くなる。
また、体を流れる血液の量が多い状態は、膨らんだ風船のようにパンパンで、血圧が高いという状態です。利尿薬によって血液量が減れば血圧も下がります。
心臓が悪くなると利尿ペプチドを分泌する?
心臓病の患者さんから、BNPが高かった、という話を聞くことがある。
心臓の検査値でコレが高くなると入院しないといけないとか。
BNPとはbrain natriuretic peptide(脳性ナトリウム利尿ペプチド)の略。
利尿べプチドという名のとおり、利尿作用のあるホルモンです。
心臓は自分に負荷がかかったときに、自分の負荷を減らすために尿を出そうとします。
尿を出すことによって、体液、血液が減るので、心臓が送り出す血液量が減り、心臓の負担が減るということだ。
つまり、BNPが高いということは、心臓にそれだけ負担がかかっているということ。
●正常値は一般に普及している18.4pg/mlを用いました。この値より低い場合には、潜在的な心不全の可能性は極めて低いと判断されます。
日本心不全学会
●血中BNP値が18.4-40pg/mlの場合は、心不全の危険因子を有している症例でも、直ちに治療が必要となる心不全の可能性は低いと判断されます。ただし、BNPだけでは心不全の程度を過小評価してしまう場合(収縮性心膜炎、僧帽弁狭窄症、発作的に生じる不整脈、一部の虚血性心疾患、高度肥満などを伴う心不全)もあるので、症状や症候を十分に加味して判断して下さい。
●40-100pg/mlの場合には、軽度の心不全の可能性があります。危険要因が多い症例や心不全を発症する基礎疾患を持っている症例では、胸部X線、心電図、心エコー図検査の実施をお勧めします。ただ、この範囲では、重症心不全である可能性は低く、BNP上昇の原因がある程度特定できれば、そのまま経過観察することも可能でしょう。
●100-200pg/mlの場合は、治療対象となる心不全である可能性があります。心エコー図検査を含む検査を早期に実施し、原因検索をお願いします。もし、心不全を疑う所見が得られ、対応が難しいようであれば専門医にご紹介下さい。
●200pg/ml以上の場合は、治療対象となる心不全である可能性が高いと思われます。原因検索に引き続き、症状を伴う場合は心不全治療を開始して下さい。更なる診療が必要な場合には専門医での対応を考慮して下さい。
BNPが100を超えてくると、デンジャラスゾーンらしい。
BNP測定値(pg/ml) | |||
---|---|---|---|
~18.4 | 心疾患の疑いなし | 正常群(定期的な検診により生活習慣病の予防が必要) | 心臓・血管系に問題なし |
~40 | 心負荷あり | リスク群(生活習慣病の予防・改善が必要) | 高血圧など、生活習慣病の疑い |
~100 | 心疾患の疑い | 経過観察群(早期予防・改善に加え経過観察が必要) | 生活習慣病または心不全の疑い |
~200 | 心疾患の疑い | 心不全の疑い群(心機能のチェックを行い適切な治療が必要) | 心不全を想定して精密検査が必要 |
~600 | 心疾患の疑い | 心不全の疑いが強い群(心不全と考え診療を進める) | 専門医による精査・治療介入が必要 |
~1000 | 心疾患の疑い | 重症心不全の疑い群(重症心不全の可能性があるため早期の治療が必要) | 早期に専門医による治療介入が必要 |
2000~ | 心疾患の疑い | 治療抵抗群(緊急の入院ならびに即時の治療が必要) | 重症心不全に対する集中治療が必要 |
次回からは、積極的に「BNPはいかがでしたか?」と聞いてみよう。
BNP100を超えたら危険
利尿薬を必要とする病態
・利尿薬は腎臓で生成される尿量を増加させる作用をもち、過剰な体液を体外に排泄するために使用する。
・過剰な体液の貯留は、多くの場合血圧上昇や浮腫(組織間への水の滲み出し)として観察される。
・浮腫をきたす背景として、心不全や腎不全、肝不全などの疾患がある。
【左心不全】
肺から左心房へ還る血流が停滞するため、肺がうっ血し、胸水を生じる。
【右心不全】
全身から右心房へ還る血流が停滞するため、静脈系に水分が貯留し、全身に浮腫を生じる。
【腎不全】
十分な量の尿排泄ができなくなることにより、全身に水分が貯留する。
【肝不全】
肝臓へ流入する門脈に血液がうっ滞することなどにより、腹水を生じる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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