2025年10月26日更新.2,662記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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検査薬は処方しちゃダメ?院外処方できない薬

治療目的でない薬

治療目的でなく、病院での検査時や処置時に用いるような薬は院内で請求すべきであって、院外処方はできない。
院内における診療報酬の検査料に含まれているため。

しかし稀に検査前に使うような薬が院外処方されてくる場合がある。

例えば、大腸内視鏡検査前に使用されるような薬剤、ニフレック、マグコロールなど。

適応症は、

ニフレック:大腸内視鏡検査、バリウム注腸X線造影検査及び大腸手術時の前処置における腸管内容物の排除
マグコロール:大腸検査(X線・内視鏡)前処置における腸管内容物の排除、腹部外科手術時における前処置用下剤

また、キシロカインゼリーやペンレステープなどの麻酔薬も、院外処方されることがあるが、NG。

キシロカインゼリーは薬価基準収載品であり、適応は表面麻酔となっている。

尿道に管を通すときとかに一時的に使用したり、個人が家で使用するケースも多いかと思うが、この薬は”医師のもと”での使用が前提であるため、処方箋での保険調剤はできない。(出しても保険で切られる)

バイアグラ等と同様に自費の処方箋で調剤する必要がある。

注:埼玉では上記の指摘により突合で切られましたが、他の県では大丈夫なケースも有るようです。ただし、処置に用いる薬剤であるので、調剤料はとれない(薬剤料のみ)。

自費処方(保険外)の取扱い

キシロカインゼリーは、浣腸や坐薬挿入時にも使われることがあるようだが、「単なる浣腸又は坐薬挿入時のキシロカインゼリー2%の使用は、原則として 認めない。」と「支払基金における審査の一般的な取扱い(医科)」に記載されている。

キシロカインゼリーを化学療法による口内炎やクローン病の口内症状に用いる場合、治療として行うので、適応外にはなるが、保険請求は可能という解釈もある。

ペンレステープは水イボをつぶすときに使われるが、マルホのHPに「本剤は院外処方せんによる投薬はできません。」と書かれている。

投薬時に、検査や処置で使うと聞いた薬剤については、調剤料は算定しないのが無難であろう。

検査薬は処方できない?

ラキソベロン内用液 20mLという処方がきて、患者が「大腸検査前に飲む」と患者は言っていた。

検査目的で薬剤が処方された場合には、調剤基本料、調剤料、薬学管理料などを算定することができない。

普段から下剤が処方されている患者が、その下剤を検査前に使いまわすということだとグレーゾーンになりますが。

これは、医科の診療報酬に関する厚生労働省通知(平成26年保医発0305第3号)において、、「検査に当たって施用した薬剤の費用は別に算定できるが、第2章第5部投薬の部に掲げる処方料、調剤料、処方箋料および調剤技術基本料ならびに同第6部注射の部に掲げる注射料は、別に算定できない」とされており、この解釈を調剤にも適用していると思われる。

Q.検査薬は処方せんによる投与が認められていないと聞いていますが、受付した処方せんの中に検査薬が記載されていた場合はどうすればよいのでしょうか。

A.検査用の薬剤(以下、検査薬)の処方せんによる支給については、保険請求上、「なじまない」として取り扱われています。
しかし、実際に患者が持参した処方せんの中に検査薬が一緒に記載されてしまっていたような場合は、検査薬に係る部分については薬剤料のみ算定せざるを得ないでしょう。
医科点数表では、検査薬を支給した場合は「処方料」、「調剤料」、「処方せん料」、「調剤技術基本料」、「注射薬」は別に算定できないものとされています。
しかし、処方せんによる検査薬の支給については、保険請求が認められていないだけであって、その行為自体まで禁止されているわけではありません。
ただし、調剤報酬点数表においても検査薬の支給に係る技術料の算定は想定されていないことから、処方せんによる検査薬の支給はなじまないものとして取り扱われています。
しかし実際には、治療用の医薬品と一緒に検査薬も処方せんに記載されてしまうことがまれにあるようです。
そのような場合、わざわざ患者に医療機関まで戻ってもらうわけにはいきませんので、実際の対応としては、患者に検査薬を支給したうえで、検査薬に係る部分については調剤技術料や薬学管理料は一切算定せず、薬剤料のみ算定することになります。
また処方医には、処方せんによる検査薬の支給はなじまないものであることを説明し、理解してもらうよう努めてください。

参考書籍:保険調剤Q&A平成22年版、日経DI2015.8

ニフレックは院外処方しちゃダメ?

検査用薬(マグコロール・ニフレック・検査のために服用する緩下薬など)は院内における検査料に含まれるため原則としては院外(保険)処方できません。

しかし、保険請求上認められていないだけで、その行為まで禁止されている訳ではありません。

医科では検査薬を支給した場合は処方料、調剤料、処方せん料、調剤技術基本料~(略)~は別に算定できないものとされています。

本来は検査薬は院内で投薬してもらうものでしょうけど、医院がどうしても院外でということであれば、調剤基本料、調剤料や薬学管理料は一切算定せずに、薬剤料のみ請求ということになります。

検査薬は処方できない?

検査用の薬剤(検査薬)は、処方箋による支給がなじまないとされており、処方箋に検査薬が記載されていた場合は薬剤料のみを算定し、検査薬の支給に係る調剤技術料や薬学管理料は算定しない。
処方医には、次回から検査薬を処方箋に記載しないよう依頼しておく。

2 件のコメント

  • クローンさん のコメント
         

    ヒュミラを毎回院内処方で貰っています。エレンタール大量を同日に処方された場合、持って帰れる量ではないので、ヒュミラもエレンタールも院外処方にして欲しいと依頼するのは間違っていますか?

  • yakuzaic のコメント
         

    コメントありがとうございます。

    いいと思います。ただ、それを受け入れてくれる薬局を先に探すことが不可欠だと思います。
    営業時間内に家まで配達してくれる薬局はなかなか無いでしょう。ヒュミラは持ち帰るとして、エレンタールは後日宅急便で送るとかであれば受け入れ可能な薬局は多いかも。

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