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処方せんへの書き込みは私文書偽造?
公開. 更新. 投稿者:調剤/調剤過誤.この記事は約2分41秒で読めます.
10,139 ビュー. カテゴリ:処方せんへの書き込み
エラー防止のため、処方せんに色々と書き込みをしている薬局は多い。
処方せんに鉛筆でいろいろと書き込んでいたところ、とある患者さんから、
「そんなことしていいの?」
と、指摘を受けたことがある。
また、とある薬局で働いていたときは、まっさらな処方せんを見て、
「何もチェックしていないのか?」
と、指摘を受けたこともある。
個別指導の指摘事項では、処方せんに鉛筆書きの記載が残っていると指導を受けることがある。
個別指導のときには、必ず鉛筆書きは消していく。
処方せんの処方欄への勝手な書き込みは、有印私文書偽造という罪にあたる可能性がある。
例えば、患者さんが睡眠薬がほしいからといって、勝手にハルシオンを書き足せば、立派な犯罪である。
また、薬局が調剤報酬を水増しするために、日数を増やせば、これもまた立派な犯罪である。
しかし、調剤ミスの防止という観点から、処方せんに書き込む行為が罪に問われることはないだろう。
刑法第159条には以下のように書かれている。
1.行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3月以上5年以下の懲役に処する。
2.他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
3.前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
「行使の目的」がなければ、罪に問われないと思うが、法的な解釈はわからない。
最近は、消せるボールペンで書き込む薬剤師もいるようだが、あまり紛らわしいのは止めた方がいいのはいいだろう。
事務入力と調剤を並行して進めるために、処方せんのコピーを行う薬局も多いが、これも有印私文書偽造に当たるのだろうか。
紙幣のコピーはコピーしただけで罪に問われるという話も聞いたことがあるが、、、
でも、処方せんのコピー、書き込みで調剤ミスが減って患者様に不利益が生じないようにできるのであれば、オレはいつでも有印私文書偽造罪で罰せられる覚悟くらいあるぜ!
と、カッコつけてみる。
勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。
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