2025年9月20日更新.2,629記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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セタネオとエイベリスの違いは?

FP受容体及びEP3受容体に作用する二環式プロスタグランジン誘導体

新規緑内障治療薬セタネオ点眼液(セペタプロスト)が2025年8月25日に承認された。

既存のプロスタグランジン系点眼薬とは少し違った作用機序を有するらしい。

セペタプロストはプロドラッグであり、点眼後は主に角膜中で速やかに加水分解され、FP受容体及びEP3受容体に対して結合、刺激することで房水流出を促進し、眼圧下降作用を示すと考えられています。

多くのプロスタグランジン系緑内障治療薬はFP受容体にのみ働きますが、セペタプロストはEP3受容体にも働くということで、既存の緑内障治療薬で効果があまり見られない患者に対し、異なるアプローチができる。
ちなみにエイベリス(オミデネパグイソプロピル)はEP2受容体に働く。

エイベリスはまつ毛が濃くなる太くなる、目の周りの色素沈着などの副作用が少ないと言われており、実際添付文書上の記載も無いが、セタネオはFP受容体にも働くので、添付文書にも「睫毛の異常(睫毛が長く、太く、多くなる等)(18.2%)」「眼瞼色素沈着(1~5%未満)」の記載がある。

分類商品名一般名
房水流出促進薬交感神経刺激薬(αβ受容体刺激薬、アドレナリン作動薬)ピバレフリンジピベフリン塩酸塩
ROCK阻害薬グラナテックリパスジル塩酸塩水和物
交感神経遮断薬α1遮断薬デタントールブナゾシン塩酸塩
副交感神経作動薬コリン作動薬サンピロピロカルピン
コリンエステラーゼ阻害薬ウブレチドジスチグミン
プロスタグランジン関連薬レスキュライソプロピルウノプロストン
キサラタンラタノプロスト
トラバタンズトラボプロスト
タプロスタフルプロスト
ルミガンビマトプロスト
選択的EP₂受容体作動薬エイベリスオミデネパグイソプロピル
二環式プロスタグランジン誘導体セタネオセペタプロスト
房水産生抑制薬交感神経遮断薬α2刺激薬アイオピジンUDアプラクロニジン塩酸塩
アイファガンブリモニジン酒石酸塩
β遮断薬(非選択的β受容体遮断薬)チモプトール/リズモンチモロールマレイン酸塩
チモプトールXE/リズモンTGチモロールマレイン酸塩持続性製剤
ミケラン/ミケランLAカルテオロール塩酸塩
ミロルレボブノロール塩酸塩
β遮断薬(選択的β1受容体遮断薬)ベトプティック/ベトプティックエスベタキソロール塩酸塩
β遮断薬(αβ受容体遮断薬)ハイパジール/ニプラノールニプラジロール
炭酸脱水酵素阻害薬トルソプトドルゾラミド塩酸塩
エイゾプトブリンゾラミド
配合剤PG関連薬+β遮断薬ザラカム(GE:ラタチモ)ラタノプロスト+チモロールマレイン酸塩
ミケルナカルテオロール塩酸塩+ラタノプロスト
デュオトラバ(GE:トラチモ)トラボプロスト+チモロールマレイン酸塩
タプコムタフルプロスト+チモロールマレイン酸塩
β遮断薬+炭酸脱水酵素阻害薬コソプト(GE:ドルモロール)ドルゾラミド塩酸塩+チモロールマレイン酸塩
アゾルガブリンゾラミド+チモロールマレイン酸塩
β遮断薬+α₂作動薬アイベータブリモニジン酒石酸塩+チモロールマレイン酸塩

ちなみに、FP受容体やEP3受容体はプロスタノイド受容体といいますが、プロスタグランジン受容体じゃだめなのかな、と思っていたら、プロスタノイドはプロスタグランジン類(PG)とトロンボキサン類(TX)を総称する生理活性脂質のグループとのこと。
そのため、プロスタノイド受容体にはトロンボキサン受容体も含まれます。

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