2024年11月4日更新.2,470記事.

調剤薬局で働く薬剤師のブログ。薬や医療の情報をわかりやすく伝えたいなと。あと、自分の勉強のため。日々の気になったニュース、勉強した内容の備忘録。

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ミケルナとザラカムの違いは?

ミケルナ配合点眼液

ミケルナ配合点眼液という緑内障治療薬が2016年9月28日に製造販売承認されました。
成分は、カルテオロール塩酸塩20mg、ラタノプロスト50μg。ミケラン+キサラタンです。

緑内障の目薬の配合剤で現在販売されているものは、
ザラカム(ラタノプロスト+チモロール)(キサラタン+チモプトール)(PG製剤+β遮断薬)
デュオトラバ(トラボプロスト+チモロール)(トラバタンズ+チモプトール)(PG製剤+β遮断薬)
タプコム(タフルプロスト+チモロール)(タプロス+チモプトール)(PG製剤+β遮断薬)
アゾルガ(ブリンゾラミド+チモロール)(エイゾプト+チモプトール)(炭酸脱水酵素阻害薬+β遮断薬)
コソプト(ドルゾラミド+チモロール)(トルソプト+チモプトール)(炭酸脱水酵素阻害薬+β遮断薬)

今までの配合剤のβ遮断薬は全部チモプトール。
ミケルナはザラカムのチモプトールがミケランに変わったバージョンになる。

ミケランLA点眼液が1日1回でよいのは、添加されているアルギン酸が粘性を高めて滞留性を向上させることで、1日1回点眼を可能にしているという。
ミケルナにもちゃんとアルギン酸が配合されているので、1日1回の点眼が可能となっている。

ミケルナの使用間隔

ミケルナとほかの点眼液の使用間隔は添付文書に、
「他の点眼剤を併用する場合には、本剤投与前に少なくとも10分間の間隔をあけて、本剤を最後に点眼すること。」
と、10分間の使用間隔をあけるように指示されている。

ミケランLAも10分間開けなきゃいけないからね。わかります。

じゃあ1日1回のチモプトールXE配合のザラカム点眼液も10分間隔だろうな、と思ったら、
「本剤と他の点眼液を併用する場合には、5分間以上の間隔をあけて点眼すること。」
5分でした。
デュオトラバも5分。タプコムも5分。コソプトも5分。アゾルガは10分。
アゾルガが10分なのはチモプトールじゃなくてエイゾプトの懸濁性が理由。

10分間待たなきゃならないのは、ザラカムよりも使いにくいデメリットと感じる。
負けるな、ミケルナ。

キサラタンの作用機序
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配合点眼剤のメリット

降圧剤などで配合剤の発売が増えており、色々と批判もあるようです。
患者さんにとっては2錠飲むところが1錠で済んで、負担が少ないというメリットがあります。
純粋にそういうメリットだけを考えれば配合剤もいいかも知れない。

ただ最近の配合剤を発売する製薬会社はジェネリック対策として発売しているだけで、患者さんのメリットは二の次です。
配合剤のデメリットもあります。
中に何が入っているかわからなくなる、というデメリット。

医師の中には配合剤の成分を把握していない、という人もいます。
PL顆粒の成分を挙げよ、と言われたら薬剤師でも挙げられない人がいるのでは。

究極の配合剤は漢方薬。
漢方薬に含まれている生薬を把握している薬剤師は少ないでしょう。

そんな感じで、重なる成分を併用してしまうという安全性に対するデメリットが懸念されます。
ま、そういうデメリットよりメリットのほうが上回れば生き残るということで。

そんな中で、目薬の配合剤のメリットは大きいかと思います。
飲み薬は2錠3錠いっしょに飲んでも問題はありませんが、目薬はいっぺんに2種類3種類を使うことはできません。
点眼間隔をあけなければいけない。5分以上。
これは煩わしい。

ということで、ザラカム(キサラタン+チモプトール)、コソプト(チモプトール+トルソプト)、デュオトラバ(チオプトール+トラバタンズ)などの需要は大きいかと思われます。

薬剤師

勉強ってつまらないなぁ。楽しみながら勉強できるクイズ形式の勉強法とかがあればなぁ。

先生

そんな薬剤師には、m3.com(エムスリードットコム)の、薬剤師のための「学べる医療クイズ」がおすすめ。

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